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短編小説「魚のために道をひらこう」11/陳載煥

2022年03月01日 06:51 短編小説

水面には水しぶきがあがり、砂地はほこりを舞い上がらせはじめた。静かであった大同江はたちまち波立ち、絶壁にぶつかっては怒号した。河の水はうねり、逆巻いた。夜が明けた。

このさまをじっと見ていたジュンハは、早速出発しようとしているテソンの身の上が、病み疲れている自分のことより気がかりになってきた。

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