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〈そこが知りたいQ&A〉党中央委第8期第3回総会の内容は?

2021年06月23日 10:34 主要ニュース 共和国 政治 経済

人民生活安定で喫緊は食糧問題

朝鮮労働党中央委員会第8期第3回総会(15~18日)は、「最も厳しい環境の中でも祖国の繁栄と人民の福利のための重大決定を下した歴史的な会議」(朝鮮中央通信)となった。総会の内容と意義を一問一答で見る。

4日間にわたる総会では人民生活を安定させる問題について討議された(朝鮮中央通信=朝鮮通信)

Q.総会招集の背景と目的は。

新たな国家経済発展5カ年計画の初年度である2021年の折り返し地点で開かれた今回の総会は、今年の中間総括として位置付けられる。総会招集は2月以来、わずか4カ月ぶりだ。

議題は大まかに二つで、①2021年の主要政策実行状況を中間総括し、経済活動と人民生活の切実な懸案に対する解決策を立てる問題②現在の情勢に応じて国家的な重大事業を強力かつ正確に推し進める問題―が討議、決定された。

朝鮮では1月の朝鮮労働党第8回大会の開催後、5カ年計画初年度の課題遂行のための重要会議が矢継ぎ早に開かれ、後続措置が続々と講じられる中、人民経済の多くの部門で毎月、計画を完遂するなど経済成果が多数報告されていた。

金正恩総書記は総会で、上半期に工業総生産額の計画を144%、昨年同期比125%に超過遂行し、現物量も多く成長しているなど「国の経済が全般的に興っている」と評価した一方で、「国家計画と政策的課題を遂行する過程に一連の偏向も生じた」と指摘した。

特に深刻なのが農業部門だ。総書記は、「昨年の台風被害により穀物生産計画が未達成だったことによって現在、人民の食糧状況が緊張している」と明かし、「今総会でその解決のための積極的な対策を出さなければならない」と述べた。

総書記は今総会を招集した趣旨について「今年の政策的課題を無条件に完遂するための徹底した対策を立てようとする」ことだと指摘した。

Q.喫緊の課題である食糧問題解決においてどのような対策が講じられたのか。

食糧危機を克服する緊急対策が単独の議案(第5議案)で扱われた点は注目に値する。総会では、人民生活安定させ、向上させるうえで喫緊の課題は食糧危機の解決策を講じることだと強調された。

金正恩総書記は、数回にわたる協議会を通じて直接調べた人民生活の実態資料とその改善のための実践的な対策について具体的に言及した。そして、今総会の中核事項が「現在、人民が最も関心を持ち、願う切実な問題を早急に解決するための決定的な施行措置を取ろうとすること」だと言明した。

そのうえで総書記は、総会の席上で自ら署名した特別命令書を発令した。

総会に関する朝鮮中央テレビの報道(20日放映)では、朝鮮中央通信よりも詳細な言及がなされた。

総会では、人民経済の部門別、各道別の食糧供給の実態、今後の所要量に言及。食糧供給の過程で生じた偏向を指摘し、人民たちに食糧を持続的・安定的に保障するための積極的な対策と合理的な方途を明らかにした。また、国家的に糧穀が確保され次第、輸送と加工を迅速に行い、人民たちに食糧が到達するまですべての作業を責任を持って進めなければならないとした。

総会ではまた、国家的負担で全国の子どもたちに乳製品をはじめ栄養食品を供給することが党の政策として樹立された。

Q.新型コロナ対策については。

朝鮮では昨年1月から強力な新型コロナウイルス対策を講じてきたが、今年に入って変異株などによる世界的な新型コロナの急速拡大に伴って、「非常防疫状況の長期化」を強調し、さらなる対策強化を図ってきた。

今総会で総書記は、非常防疫状況の長期化は「国家非常防疫活動での最大自覚、強い規律順守気風の長期化であると同時に、経済全般を維持し、人民の食衣住を保障するための闘いの長期化」だとし、現在の状況に即して国家的に防疫態勢を完璧に堅持し、経済指導機関が非常防疫という不利な環境の中で、それに即して経済活動を緻密に手配することに関する課題を提示した。

同時に、すべての党組織と政権機関が人民の生活上の要求を適時に円滑に解決する活動に優先的な力を入れることについて特別に強調し、軽工業と水産業をはじめ人民の生活に直結した部門で生産を増やすための対策を立てた。

Q.国際情勢、とくに対米政策が示されたというが。

朝鮮労働党第8回大会で朝鮮は、「強対強、善対善の原則に基づいて米国に対応する」という党の原則的立場を示した。

今回の総会では、バイデン政権の朝鮮に対する政策動向を詳細に分析し、今後、対米関係において堅持する戦略・戦術的対応と活動方向が示された。金正恩総書記は、「国家の尊厳と自主的な発展・利益を守り、平和的環境と国家の安全を頼もしく保証するためには対話にも対決にもすべて準備ができていなければならず、特に対決にはより手落ちなく準備ができていなければならない」と強調した。

総会報道を受けて米国側は「興味ある信号」(現地時間20日、ジェイク・サリバン米大統領国家安保補佐官)と期待を示したが、これに対し金与正党副部長は談話(22日)で「自ら誤って持つ期待は、自身をさらなる失望に陥れる」と一蹴した。

(金淑美)

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