〈特集・ヘイト解消法5年〉差別根絶に向けて、課題まだ多く
2021年06月03日 14:21 主要ニュース 権利差別主義者が「被害」語る状況、野放しに
6月3日で「ヘイトスピーチ解消法」(以下「解消法」)の施行から5年を迎えた。ヘイトスピーチに対する抑止力の強化や認識の拡大など、一定の「成果があった」反面、差別根絶に向けて課題も多く残る。抜本的解決のために求められるものとは―。(韓賢珠、金紗栄)
識者がみる現状と課題/安田浩一さん、深沢潮さん
強い世論の声、必要/師岡康子さん
国会議員らの声
入管法「改正」反対の現場から
関連年表「在日朝鮮人とヘイトスピーチ」
【ヘイトスピーチ解消法とは】
「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」いわゆるヘイトスピーチ解消法は2016年6月3日に施行された。国籍、人種、民族等を理由とする「不当な差別的言動は許されない」と宣言した同法は、ヘイトスピーチの実態と概念を社会に浸透させ、差別意識を助長しまたは誘発する目的で行われる排他的言動に対し、一定の抑止力となった。しかし理念法であり、禁止規定や罰則規定がないことからその実効性の乏しさが指摘され、包括的差別禁止法の制定を求める声が相次いでいる。