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〈インタビュー〉在日本朝鮮商工連合会・朴忠佑会長

2020年04月17日 14:16 主要ニュース

「団結と連帯の力で困難を乗り越えよう」

新型コロナの影響により同胞企業が大きな被害を受けている。13日、在日本朝鮮商工連合会(商工連)の朴忠佑会長を訪ね、同胞企業の現状や商工連の対策、難局を乗り超えるための心構えなどについて話を聞いた。

朴忠佑会長

商工連・朴忠佑会長

―新型コロナをめぐる状況は

新型コロナウイルスの影響は日々変わっている。8日には7都府県を対象に緊急事態宣言が発令された。そして緊急事態宣言を受けての初めての週末、飲食、遊技業もそれまでは通常営業が行えたが、土日を臨時休業、時短などの措置をとっての営業となった。過去の震災時とはまた違う状況だ。私自身が経営する店舗で年中無休営業を始めてから休業措置をとったのは今回が初めてのことだ。

―同胞企業の現状は

同胞企業の状況も悪化している。コロナの影響をうけていないところは一つもないといえる。3月24日に開いた商工連緊急常任理事会では現地の報告・資料をもとに被害状況を共有したが、事態は刻々と変化している。

たとえば、3月中旬までの遊技業の売り上げで言えばおよそ20%減くらいだった。ところが4月の第2週には5割減、飲食では8、9割くらい減っている。

西日本では土木業を営む同胞が多いが、建築資材の調達がままならず、発注が遅れて売り上げが減っている。インバウンドの減少で民泊業などは軒並み9割ダウン。大きな打撃を受けている。

収入はゼロでも家賃や給料などの固定費は出ていくので、このままでは果たして何か月持つのかという状況だ。見通しが明るいとは言えず、我慢しながらやっていかなければならない。

―商工連の対策について聞かせてほしい

こういう状況で商工連は何をすべきか。商工連は現在の状況を大変な危機的状況であるとの共通認識を持って、対応に乗り出している。特に金融インフラへの打撃、破損を防がなければならない。この状況を脱するために、まず政府や自治体の保障制度や融資制度、従業員の保障手当などを活用することが第一だ。商工連、商工会も窓口を設け、このためのサポートを徹底しようと取り組んでいる。

また、金融機関との連携も深め、金融機関と力を合わせてできることは何なのかを議論した。勉強会や資料の共有を検討した。

現在、商工連では副理事長などが各地に赴き、地域の商工会のサポートに乗り出している。同胞経済団体らで対策委を組む必要性も感じている。今こそ力と知恵を合わせるときだ。

―どういう心構えでこの状況に立ち向かうべきか

難局の中、日本でも先が見えず「あきらめ倒産」する企業が出だした。しかし、朝鮮には「하늘이 무너져도 솟아날 구멍이 있다」(空が崩れても這い上がる穴がある)ということわざがある。絶対に生きるんだという、人間にも企業にも強い信念が大事だ。これを乗り越えれば以前より強靭な組織、財産を築くことができる。

日本の実業家である松下幸之助は「好況よし、不況さらによし」という言葉を残した。良いときには見えず、悪いときにこそ見えることもある。日々の業務を根本から見直すチャンスでもある。

私も常連客の「営業を続けて欲しい」という応援に大きな力を得た。同胞企業はその発生から地域に根差した活動を続けてきた。目に見えない支援者も多い。これを忘れてはいけない。同胞企業は地域にとっての大きな財産でもある。

間違いないのは、皆で協力して、この状況を乗り越えなければならないということだ。そのために、まずは商工会に相談してほしい。各地の商工会ではサポート体制を整え、資料も作成している。商工会はここ数年で申告数を増やし、着実に土台を築いてきた。こういうときこそもっと商工会を頼りにしてほしい。

―同胞らに訴えたいことは

難しいときは一人で悩んでいてはだめだ。しっかりと相談して意見を求めて活路を見出す。方法は業種によって違うしケースもそれぞれだが、同胞経済団体が協力してサポートする。商工会はそのためにある。

特に青商会出身の若い会員らはこれからの商工会を担う人材であり、彼らが経営する企業は発展の余地も大きい。若い経営者を守るためにしっかりとバックアップして、活動を続けられるようにしたい。

在日同胞社会は財も権利もない無から立ち上げられた。そこから弾圧をはねのけ現在の同胞社会を築いてきた。われわれには不屈の精神力がある。我々はこの難局を必ず乗り越えられる。祖国もあらゆる困難を乗り越え民族の尊厳を守っている。どんな困難も乗り越えられると祖国が証明している。

商工人も同胞も、こういうときだからこそ連絡を密にして、連帯を深めよう。一人で考えず、ともに助け合い、励ましあいながら乗り越えよう。在日同胞は強い。この難局を団結し乗り越え、立派な同胞経済圏、豊かな同胞社会を築きあげよう。そして祝杯をあげよう。我々は必ず勝てる。

(まとめ・丁用根)

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