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シンポ「東アジアにおける平和プロセスのための対話」/市民団体が朝鮮との交流経験語る 

2020年02月03日 13:49 主要ニュース

平和への希求を共有

「東アジアにおける平和プロセスのための対話」と題した公開シンポジウム(主催・早稲田大学韓国学研究所)が1月26日、早稲田大学で開催された。朝鮮と民間交流を行う各市民団体のメンバーがパネリストとして登壇した午前の部「日本の市民社会との対話」は、それぞれの経験を共有し、東アジアの和平プロセスをともに考える趣旨で行われた。午後には特別講演が行われ、朝鮮在住の日本人妻の取材を続けるフォトジャーナリストの林典子さん、朝鮮の子どもたちへの人道支援や平和教育を行う南朝鮮の社団法人「オリニオッケドンム」理事長をつとめる淑明女子大学の李起範教授が登壇した。

植民地支配責任を痛感/人道支援

シンポでは、絵画を通じた東アジアの子どもたちの交流や日朝大学生交流に携わる「KOREAこどもキャンペーン」の筒井由紀子さんが登壇。「『顔の見える関係』から心をつなぐ交流を目指して」と題して、95年に朝鮮東北部を襲った大雨洪水を機に始まった支援活動について語った。

筒井さんは、水害被災地へのコメ支援を行った際、江原道の配給所に来た朝鮮の老人が日本のスタッフに「ありがとうございました」と日本語でお礼を述べたエピソードを紹介。「植民地支配や負の歴史の重さを実感し、日本の一市民として、心を込めた継続的な支援を行う必要性を感じた瞬間だった」と振り返る。

「東アジアにおける平和プロセスのための対話」と題した公開シンポジウムが開催された

その後、市民の立場から北東アジアの平和構築に寄与することを目的に「KOREAこどもキャンペーン」が結成され、黄海道や江原道の育児院や託児所、幼稚園といった子どもの施設への食糧支援活動が行われた。また、南朝鮮や欧米諸国のNGO、国際機関などとも経験をシェアし、手探りで活動を進めていったことなどが語られた。

筒井さんは、朝鮮の人々と対話を通じてコミュニケーションを図り、信頼関係を構築する過程において、「社会体制や国の違いを受け止め、相手の立場を尊重する姿勢が一番重要だった」としながら、2002年の日朝首脳会談以降、朝鮮への人道支援に対する日本社会の風当たりが強まった状況下でも、継続的な交流を続けたことが、国や政府の関係にとらわれない、日朝の大学生交流や絵画展などの日本と朝鮮、東アジアの子どもたちの心をつなぐ活動へとつながったと語った。

実践的な統一・平和教育/絵画交流

シンポでは、2001年に社団法人「オリニオッケドンム」と日本のNGO団体である「南北コリアと日本のともだち展」実行委員会が始めた東アジアの子どもたちの絵画展についても語られた。03年から平壌で「朝・日子ども絵画展」が開催されたあと毎年、平壌での絵画交流が続いている。05年からは東アジアの子どもたちの合同作品が制作されるようになり「在日朝鮮学生美術展覧会―東京展」でも企画展示され、14年からは、「在日朝鮮学生美術展覧会(東京展)平壌展示」と題した絵画展が平壌で開かれている。11年からは、延吉でも絵画交流が行われている。

東アジアの子どもたちの絵画交流について語る「オリニオッケドンム」のキム・ユンソンさん

朝鮮半島の葛藤と紛争の歴史を乗り越え、南北の子どもたちが平和を希求する友人として互いに成長することを目的に、朝鮮への人道支援、平和教育文化活動、東アジアの子どもたちの絵画を通じた交流事業を展開してきた「オリニオッケドンム」のキム・ユンソンさんが発言した。

キムさんは、同会が目指したものは「南北の子どもたちの出会いであり、出会うための準備として互いを知ることだった」と回想する。

交流のはじまりは、90年代末。南の子どもたちが描いた絵とメッセージを、北に住む子どもたちに送り、互いの絵を交換したことだった。

「反共教育を受ける中で、

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