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情勢緩和求める国際世論に逆行/北南関係改善を妨害する日本

2018年02月02日 17:15 主要ニュース 朝鮮半島

北南朝鮮は平昌オリンピックを平和オリンピックにするための様々な努力を続けている。北南和解と平和への歩みを国際社会が支持する一方、日本政府は依然として「北朝鮮脅威」を煽り、周辺諸国に対し「北への圧力」への同調を求め続けている。その背景にあるのは、朝鮮半島危機を利用し、政権の地盤を固め、憲法改正、軍事大国化を進めようとする安倍政権の思惑だ。

「圧力強化」路線を固持

東京・文京区にある東京ドームシティアトラクションズの周辺で行われた「ミサイル避難訓練」に反対する市民たち(1月22日、連合ニュース)

北南関係改善への強い意志を表明した金正恩委員長の新年の辞をきっかけに、北南高位級会談、実務会談が行われ、硬直した北南関係が急速に和解ムードへと転換した。国際社会も北南対話を朝鮮半島情勢緩和の動きとして歓迎し、好意的な反応を示している。

日本はこのような国際社会の動きに逆行し、情勢緩和を妨害している。現在、北南関係改善の動きに水を差す日本国内の論調は、大きく2つに分けられる。

第1に、北南の和解を目的とした対話を是とせず、「北の非核化のための対話」を求める論調だ。

「対話のための対話では意味がない。北朝鮮に検証可能で不可逆的な方法で核・ミサイルの廃棄にコミットさせ、具体的な行動を取らせることが必要だ。それがあって初めて意味のある対話になる」(1月7日、NHK番組での安倍首相の発言)、「対話のための対話ではなく、北朝鮮の政策転換が重要」(1月9日、小野寺五典防衛相とマティス米国防長官の電話会談)、「ほほ笑み外交に目を奪われてはならない。圧力を緩和したり北朝鮮に報いたりするべき時ではない」(1月16日、バンクーバーでの20カ国の外相会合、河野太郎外相の発言)などの発言は、従来の圧力路線に固執する政府対応そのものといえる。

第2に、「対話や合意の裏には北の戦略がある」と疑念を呈す報道などがある。

北南高位級会談の合意(1月9日)に関する全国紙5紙の社説は、一様に政府の「圧力強化」路線を支持し、日米南の結束強化を求める一方、朝鮮の北南和解への歩みに対し、懐疑的な視線を投げかけた。

日経は1月11日付社説で「北朝鮮への疑念拭えぬ南北対話の再開」と題し、「北朝鮮が韓国を利用して包囲網に風穴をあけ、核開発を続ける時間と資金を確保しようとしているとの疑念はやはり拭えない」と主張。読売は1月11日付社説で「(北が)『五輪参加』のカードを切って、韓国を取り込む戦術を本格化させた」とした。

「文大統領は核・ミサイル問題での危機打開にもつなげたいと意欲を見せるが、成果を焦れば北朝鮮の術中にはまりかねない」(毎日、1月10日付社説)、「北朝鮮は国際的な孤立から逃れるためにまず、最も手っ取り早いと考える南北関係の改善に手をつけようとしている。五輪に選手団だけでなく高官や応援団を送るというのも、そのための戦術と見ざるをえない」(朝日、1月11日付社説)、「日米韓、そして国際社会が一致して、対北圧力をかけ続けるべき時だ。かつて対話への『希望』は失敗を重ねてきた。韓国には現実を見据えてもらいたい」(産経、11日付主張)

分断の原因である日本の植民地支配の責任を顧みることなく、70年の分断状況を強いられた民族へのひとかけらの想像力もない一連の主張。その根底には、いまだ克服されることのない根深い朝鮮民族への蔑視感情があり、長年の「北朝鮮バッシング」や「北核脅威論」を煽る中で麻痺した日本の言論状況がある。

朝鮮半島危機を利用

北南関係改善を妨害する日本の意図はどこにあるのか。

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