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「今年の漢字」に思う

2012年12月17日 13:47 春・夏・秋・冬

春夏秋冬その年の世相を漢字一字で表わす「今年の漢字」。2012年は「金」が選ばれた。932年ぶりに日本で観測された金環日食、ロンドン五輪での金メダル獲得に日本中が沸いたことが選考理由だ。2位は「輪」。こちらも金環日食で表れた光の輪、五輪、復興に向けた団結の輪にちなんで選ばれた。気になるのはそのあと。3位「島」、4位「領」、5位「乱」と続いた。領有権問題がらみだ

▼自民党総裁の安倍元首相は、「日本を取り戻す」をスローガンに、独島、釣魚島に対する領有権主張に留まらず、憲法改正、集団的自衛権容認、軍事予算の大幅拡充、そして「自衛隊」の「国防軍」への格上げを叫んできた。日本を「戦争する国」へと導く党・政治家が衆院選で単独過半数を獲得した現実は極めて重い

▼威勢のいいアピールは当然、アジア諸国の反感を買い、同盟国の米国や南朝鮮からも警戒する声が挙がった。米ブルームバーグ・ニュースのコラムニストは、「右翼日本、19世紀に帰る」と題した記事で、日本の政治家は過激なナショナリズムを叫んだ19世紀から離れようとしないと厳しく指摘した

▼2012年、各国で新しい首脳が就任、もしくは次期首脳が決まった。その意味で国際政治を表す漢字は「新」や「変」が妥当か。新しいリーダーたちは、新しくもなく、変わりもせず、傍若無人に軍国化の道を突き進もうとする日本にどう向き合うのか。舵取りが試される。(天)

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