公式アカウント

平壌宣言10周年に思う

2012年09月12日 10:13 春・夏・秋・冬

朝・日平壌宣言発表から10年。両国関係は改善されるどころか極度に悪化したことを憤りをもって振り返らざるを得ない。拉致問題を口実とした反朝鮮キャンペーンの矛先は総聯と在日同胞に向けられた。そして日本は朝鮮高級学校だけが「高校無償化」からが除外されることがまかり通る社会になってしまった春夏秋冬

▼平壌宣言発表後、朝・日政府間の会談や接触は幾度も行われた。一連の会談に日本側は、「経済的に困窮した朝鮮の目当ては日本の経済協力」という姿勢で臨んでいた。そして拉致問題の解決を迫った。日本側には、明らかに過去への反省が決定的に欠如していた。これでは会談がうまく行くわけもない

▼会談の進展がなかったもう一つの要因としては、合意がなされても直後に総理が替わるなど、日本の政権が安定しないこともあげられる。皮肉にも、政権側が支持率アップを狙って取った朝鮮に対する強硬姿勢は、両国関係をいっそう悪化させた。「強硬姿勢」の犠牲者は常に在日同胞だった

▼日本の最高当局者である総理が過去の植民地支配に対する「痛切な反省と心からのおわび」を朝鮮側に公式表明したのは初めてだった。10年前、平壌市民は大きな期待を寄せた。日本国民も平壌宣言発表直後の世論調査では過半数がこれに支持した。日本はいま一度原点に戻り、過去清算は回避できない責務だという現実を直視すべきだ(進)

Facebook にシェア
LINEで送る