公式アカウント

【寄稿】続・朝鮮学校排除コメントに対する番組制作側の責任/早尾貴紀

2023年09月08日 12:23 寄稿

6月19日に放送された東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)「堀潤モーニングFLAG」内で、朝鮮学校を公的教育支援から排除するコメンテーター発言が相次いだことに関して、筆者と山本かほり氏(愛知県立大学)と板垣竜太氏(同志社大学)と連名で番組を制作放送したTOKYO MXに公開質問状を送った件の続報である。

7月13日、MX社を訪ね、要請書を提出する筆者と山本かほりさん(提供=月刊イオ)

メインキャスターの堀潤氏が、「朝鮮学校のみが公的教育助成の諸制度(日本政府による高校授業無償化および東京都による私立外国人学校教育運営費補助金)から排除されていることは、すべての子どもたちが平等に教育を受ける権利を侵害するのではないか」と問題提起したことに対して、大空幸星氏(NPOあなたのいばしょ理事長)が「子どもたちへの直接補助になっていないし、朝鮮学校の経営が下手くそすぎることが問題である」と、補助金停止を正当化し、コラムニストの河崎環氏が「政治的な論争の対象になるような学校で民族意識を煽って教えているのは過剰な環境である」と、やはり排除を正当化した。

これらの発言内容が事実関係でも間違いであり重大な差別として国連や人権団体から改善勧告が出されていることなどは前回指摘した通りである。そこで筆者らは番組を制作放送したTOKYO MXに対して、コメントの間違いを認めるのかどうか、コメンテーターへの事前レクチャーを行ったかどうか、堀潤氏はなぜコメンテーターの間違いを正さなかったのか、番組全体が朝鮮学校排除の差別を助長する結果となったことをどう受け止めるか、など9項目にわたる公開質問状を1千人以上の賛同署名とともに7月13日に提出した。

それを受けてMX社編成局長の城田信義氏と7月26日に面談の場をもった。そこで城田氏から、「コメンテーターへの事前レクチャーは行ったが、不十分だったかもしれない。今回は番組の時間枠が短かったために説明不足となったが、賛否両論を平等な時間で話すことができる機会をつくっていきたい」という釈明があった。それに対して筆者らは、「コメンテーターに対するレクチャーが不十分なのは、理解が浅いだけでなく制作側の知識不足や誤認、偏見があったからではないか。朝鮮学校の設立が、日本による朝鮮の植民地支配を歴史的背景としており、戦後に在日朝鮮人が日本政府による弾圧や差別に抵抗しながら民族文化を子どもたちに教えるために作られた、という経緯が踏まえられていない。また、賛否両論を平等な時間で放送することが公正な報道ではない。差別を是とする意見と民族差別を非とする意見を平等に並べたら、差別を容認する意見にあえて発言権を与えるようなものである」といった指摘をした。

7月13日、MX社を訪ね、要請書を提出する筆者と山本かほりさん(提供=月刊イオ)

しかし、こうした提起は受け入れられることなく、8月10日にTOKYO MX社から、公開質問状に対する文書回答が示された。

Facebook にシェア
LINEで送る