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〈それぞれの四季〉言葉なき師/張守基

前職(ウリハッキョの日本語教員)で、新任時代から10年間続けたのは、1回の授業で1冊以上の本を紹介すること。自分は一時の師匠だけど、良い本は一生の師匠になるから。点呼では、返事の際、各々が読んでいる本…

〈それぞれの四季〉大学時代の思い出/洪滉仁

大学時代を振り返ると、留学同活動には目一杯情熱を注いだが、残念ながら学業はからっきしだった。もっと真面目に学業にも励んでいれば良かったと後悔の念は絶えないが、それでも唯一真面目に取り組んだものがあった…

〈それぞれの四季〉「ネコと暮らせば」/朴美順

わが家には5歳の姉弟ネコが同居している。彼らは1日のほとんどを眠っている。2匹が丸くなって眠っている姿はそれだけで心癒される。私は食事と水を与えトイレ掃除を担当しているがかれらには飼い主という概念はな…

〈それぞれの四季〉「故郷」/朴美順

歩くことが好きで早朝散歩によく出かける。美しい日の出や季節ごとに咲く花、木々の緑から元気をもらう。朝の澄んだ空気は格別だ。 でも、ここは私の国ではないんだと心の奥で思っている。 愛着がもてない、どこに…

〈それぞれの四季〉糧/宋和淑

「理不尽な社会への怒りや自身の問題意識が研究を進める上での糧になる」。私にとっての「糧」とは何だろう。 私は自身の「民族性」を労なくして得られる環境にいた。恥ずかしながら、民族教育という選択を諦めなけ…

〈それぞれの四季〉映画「82年生まれキム・ジヨン」/宋和淑

映画「82年生まれ キム・ジヨン」を観て心が震えた。映画の終盤、ミスク(ジヨンの母)の泣き叫ぶ姿は、現代女性の痛みや叫びを凝縮しているようで涙が止まらなかった。

〈それぞれの四季〉「『ニョメン』が憧れだった」/朴美順

留学同大阪の盟員だった頃、8.15(パリロ)大会に参加したことがある。 一世のハルモニ、ハラボジからウリマルを喋る幼稚園児まで各世代のトンポが集まり出会いを楽しんでいた。その中で最も輝いて見えたのが女…

〈それぞれの四季〉もどかしい想い/宋和淑

「何が、カン・タダマサだ」 朝鮮の苗字に日本名を名乗る人に対して言い放たれた言葉をふとした瞬間思い出す。 (「朝鮮性+日本名」ってそんなに悪いことなの?)まだ幼かった私はその言葉に疑問と違和感を拭えな…