〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 23〉「顔」について、「仮面(マスク)」について/安部公房④
2020年06月22日 11:21
「アベノマスク」の話をしよう。といっても、すこぶる評判の悪い例のマスクの話ではなく、安部公房の書いた「マスク=仮面」についての物語を紹介したい。 自分の「顔」が、ある日何らかの理由で失われ、全く別のも…
〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 22〉疎外の自覚、そして加害の自覚を/安部公房③
2020年05月18日 10:18
〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 21〉不可能な「故郷」と、「監禁状態」/安部公房②
2020年04月09日 14:51
〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 20〉朝鮮支配の「制服」をまとった者/安部公房①
2020年02月26日 14:59
元旦に放映されたNHK・Eテレのスペシャル番組「100分deナショナリズム」にて、漫画家のヤマザキマリさんが安部公房の小説「方舟さくら丸」(1984年)を紹介していて、にわかに話題となった。放送後Am…
〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 19〉「万延/令和元年」の暴力/祝祭/大江健三郎⑤
2020年01月17日 15:41
「万延元年のフットボール」(1967年)は、寓意と隠喩、象徴性に満ちた難解な文体と、土俗的雰囲気、そして明治維新前夜と敗戦直後から60年安保の時代まで、百年にわたる歴史を重層させた、大江文学の前後期を…
〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 18〉「文学的想像力」の陥穽/大江健三郎④
2019年12月06日 14:27
「おれはこの現実世界から拒まれている。おれはこの世界の正規の人間じゃない」。そして「怪物」となり、少女殺人犯となった、「叫び声」(1963)の登場人物・呉鷹男。死刑判決となる彼は、朝鮮人の父親と日本人…
〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 17〉閉塞の時代、「不幸な若者たち」/大江健三郎③
2019年11月09日 10:17
「いいか、お前のような奴は、子供の時分に締めころしたほうがいいんだ。出来ぞこないは小さいときにひねりつぶす。俺たちは百姓だ、悪い芽は始めにむしりとってしまう」―1958年発表の、「芽むしり仔撃ち」の一…
〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 16〉かつてと現在の危うさ、未熟さ/大江健三郎②
2019年10月05日 09:00
尾崎真理子氏は「大江健三郎全小説3」(講談社刊、2018)巻末の解説となる文章で、「セヴンティーン」、続編「政治少年死す」の二部作についてこう書いている。「性の衝動に最も突き動かされ易い年齢ともされる…
〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 15〉再録・再読される「性」と「政治」/大江健三郎①
2019年08月23日 09:00
「平成」と呼ばれた、日本の「失われた30年」、そして平和と民主主義という、戦後日本をまがりなりにも支えた価値の自壊とともに、どんどん内向きに閉塞しつつ右傾化を極めた30年間という時代の終わりの時期に、…
〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 14〉在日朝鮮人ハンセン病文学②/人間を、民族を取り戻した歌歌
2019年07月05日 15:51
詩人村松武司が1979年に出した「遥かなる故郷 ライと朝鮮の文学」が今年増補版となり復刊された。同書には在日朝鮮人ハンセン病回復者・歌人金夏日さんのことが書かれている。そして前回紹介した金貴粉著「在日…