ネット投稿192件に違法性認定/同胞女性、法務局に被害申告


会見に臨む崔さん(写真右)と代理人の師岡弁護士

川崎市ふれあい館館長の崔江以子さん(49)が、自身に向けられたインターネット上の投稿300件についてヘイトスピーチに当たるとして横浜地方法務局に人権侵犯被害の申告をしたところ、全体の64%にあたる192件が違法な人権侵害と認定された。崔さんと代理人の師岡康子弁護士が9月8日、川崎市内で記者会見し、明らかにした。

崔さんは法務局への申告に先立ち、2020年6月までに川崎市に対して「差別のない人権尊重のまちづくり条例」(19年12月制定)に基づき、ブログや掲示板、ツイートなどネット上の投稿約340件について削除要請を申し立てていた。同条例の第17条は、ヘイトスピーチ解消法(16年4月施行)第2条が定める「不当な差別的言動」があった場合、専門家で構成される審査会に意見を聞き、公表して削除手続きをすると定めている。しかし、市側は削除要請があった投稿のうち8件しか審査会に諮問・認定せず、審査は同年11月に終了した。

これを受けて崔さん側は12月、法務局に人権侵犯被害申告を行い、川崎市に削除要請していた投稿のうち、削除済みの分や要請を取り下げた分を除く300件の削除を求めた。このうち192件が違法性を認定され、88件が削除された。

崔さんは会見で、「救われる思いだった」と法務局の対応を評価した。会見前日の7日、崔さんと師岡弁護士は市の担当者と面会。条例の運用が被害救済として不十分な点を指摘し、運用の改善を求めた。

(李相英)