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〈本の紹介〉朝鮮人学校の子どもたち―戦後在日朝鮮人教育行政の展開―/松下佳弘 著

行政史から探る「自主性」 民族教育の草創期における朝鮮学校に対する日本政府の度重なる弾圧、それに抗う先代たちの闘いの歴史についてはあらゆる研究がなされ、数多くの書物に記録されてきた。 本書は、1945…

〈本の紹介〉民衆暴力―一揆・暴動・虐殺の日本近代/藤野裕子 著

自発的行為のはじまりにあるもの 暴力をふるうに相応の「論理」とは何か―。近代国家が、暴力の正当性の独占を図る裏で並存した民衆の解放願望とエネルギー。そして、それらが暴力となり発生した数々の事件たち。 …

〈本の紹介〉私は本屋が好きでした―あふれるヘイト本、つくって売るまでの舞台裏/永江朗 著

「憎悪の棚」はいかにして生まれるか 日本社会に蔓延る街頭やネット上での目に余るヘイトスピーチ。特定の個人や民族を攻撃し、差別を助長するヘイトは書店にもあふれ、平積みにされた嫌韓・嫌中などをあおる「ヘイ…

〈本の紹介〉日本のセーフティーネット格差―労働市場の変容と社会保険/酒井正 著

「皆保険」の綻びを問い詰める 「安定的な雇用に就いていなければセーフティーネットを得られないのならば、それはセーフティーネットと言えるのだろうか」――全331ページ、第7章からなる本書に一貫したテーマ…

〈本の紹介〉東京・下町に生きて-足立と在日コリアン/姜徹著

貴重な在日朝鮮人社会の記録 本書は「足立から見た在日コリアン形成史-済州島・東京足立に生きた私の半世紀」(2010年雄山閣)の一部分を加筆したものである。構成は、朝鮮人・韓国人コミュニティの始まり、解…

〈本の紹介〉朝鮮女性史 歴史の同伴者である女性たち/盧桂順著

歴史を担った事実に照射 洋の東西を問わず「正史」とされる史書に記され、広く知られている人物は、そのほとんどが男性である。朝鮮民族5千年の歴史においても例外ではなく、「『三国史記』『三国遺事』『高麗史』…

〈本の紹介〉詩人河津聖恵の反戦と反ファシズム、そして在日同胞/卞宰洙

本書の「毒虫」という題名は、フランツ・カフカの小説「変身」の冒頭にある「自分がベッドの上で一匹の巨大な毒虫に変わってしまってるのに気づいた」というフレーズと、日本戦後詩の前衛詩人黒田喜夫の代表作「毒虫…

〈本の紹介〉「朝鮮学校支援の現在と未来-支援の〈かたち〉を再考する」/山本崇記編

同胞と日本社会の共生、記された実践と実例 2009年に起きた在特会による「京都第一初級襲撃事件」は、学校と地域コミュニティの関係を破壊した。同校で教員を務めていた金志成はこう話す。「それまで学校に理解…