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〈本の紹介〉日本のセーフティーネット格差―労働市場の変容と社会保険/酒井正 著

「皆保険」の綻びを問い詰める 「安定的な雇用に就いていなければセーフティーネットを得られないのならば、それはセーフティーネットと言えるのだろうか」――全331ページ、第7章からなる本書に一貫したテーマ…

〈本の紹介〉詩人河津聖恵の反戦と反ファシズム、そして在日同胞/卞宰洙

本書の「毒虫」という題名は、フランツ・カフカの小説「変身」の冒頭にある「自分がベッドの上で一匹の巨大な毒虫に変わってしまってるのに気づいた」というフレーズと、日本戦後詩の前衛詩人黒田喜夫の代表作「毒虫…

〈本の紹介〉「朝鮮学校支援の現在と未来-支援の〈かたち〉を再考する」/山本崇記編

同胞と日本社会の共生、記された実践と実例 2009年に起きた在特会による「京都第一初級襲撃事件」は、学校と地域コミュニティの関係を破壊した。同校で教員を務めていた金志成はこう話す。「それまで学校に理解…

〈本の紹介〉ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー/ブレイディみかこ著

誰かの靴を履いてみること 「『老人はすべてを信じる。中年はすべてを疑う。青年はすべてを知っている』と言ったのはオスカー・ワイルドだが、これに付け加えるなら、『子どもはすべてにぶち当たる』になるだろうか…

〈本の紹介〉百聞不如一見3/2017-19訪朝報告書

朝鮮東北部の稀有な記録 平田賢一さんを中心とする朝鮮文化研究会が毎年、企画している訪朝の記録を収めた小冊子。2017~19年の間に朝鮮を訪れた日本人10人の訪朝記が収められている。10~13年の訪朝記…

〈本の紹介〉悪党・ヤクザ・ナショナリスト 近代日本の暴力政治/エイコ・マルコ・シナワ著、藤田美菜子訳

政治に内在する暴力を明らかに 近代日本政治史において暴力は恒久的な原動力であった。暴力によって政治を動かそうとすることは、幕末・維新期や自由民権運動期といった議会政治が整う以前だけに見られた現象ではな…

〈本の紹介〉国会をみよう―国会パブリックビューイングの試み/上西充子著

蓄積する矛盾に目を 国会パブリックビューイング。そう聞いてすぐにピンとこない人も多いかもしれない。 傍観者としてではなく、当事者としてこの国の政治に関わることの意味を日本市民たちに強く問いかけたこの活…

〈本の紹介〉今、在日朝鮮人の人権は-若手法律家による現場からの実践レポート-/朝鮮大学校政治経済学部法律学科創設20周年記念誌刊行委員会編著

法律学科卒業生の闘いの展望 本書は、昨年の朝鮮大学校政治経済学部法律学科創設(1999年4月)20周年に際して、卒業生の弁護士らが中心となり執筆したものである。 著者たちは、在日朝鮮人無年金問題をはじ…