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短編小説「魚のために道をひらこう」18/陳載煥

その後やっと生きていた12尾のニジマスと背負って養魚場にたどり着いた彼を見て、みなは驚きの目をみはった。すでにテソンは死んでしまって、ニジマスもわが国にはいなくなった、ということになっていたのである。…

〈魅惑の朝鮮観光〉平壌ー文化・芸術施設⑦人民文化宮殿

短編小説「魚のために道をひらこう」17/陳載煥

彼は、二度も奴らの銃尻で背中をどやされたが、空っぽになるまで缶をふり、すっかり魚が出てから空缶を水の上に放りだした。空缶は、激流に乗って、またたく間に下流へ流されたが、しばらくすると岸にひっかかってし…

短編小説「魚のために道をひらこう」16/陳載煥

彼は、水に沿って北へ行くつもりであった。流れは、東に行ったり西に曲がったり、曲がりくねっているので歩みはどうしても遅くなり、いつしか敵のいる地域に一人とり残されてしまった。ひと足ごとに危険と不安がつき…

短編小説「魚のために道をひらこう」15/陳載煥

事実、ニジマスはひと缶のビスケットがあれば全部捕らえることができるのだ。敵に渡すくらいならむしろわれわれが食ってしまおうというのである。人々は生まれて初めてニジマスを、煮たり焼いたり、刺身にして嫌にな…

鄭大世選手、今季初ゴール/J2

サッカー 勝ち越し弾で連勝飾る/鄭大世・町田ゼルビア サッカー・J2第3節が6日に行われた。 鄭大世選手(FW)が所属する町田ゼルビアは、アウェーでツエーゲン金沢と対戦。鄭選手は後半から途中出場した。…

短編小説「魚のために道をひらこう」14/陳載煥

彼が結婚して3年目の秋に男の子が生まれたが、やがてその時の喜びにも勝る喜びが彼を跳びあがらんばかりにした。7尾のうちの3尾のメスが、6千あまりの大粒の卵を水中の木の枝に産み付けていたのである。 池のふ…

短編小説「魚のために道をひらこう」13/陳載煥

3章 テソンがジュンハと初めて会ったのは、解放のあくる年であった。 1944年の秋、22歳になったテソンは日本人経営のある養魚場の建設場に働きに行ったが、次の年の正月からその養魚場の養魚工として雇われ…