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短編小説「魚のために道をひらこう」1/陳載煥

1章 容赦なく照り付ける八月の太陽の下で深い緑につつまれた山なみも、森も林も、暑さにあえいでいた。 青い流れに沿って、細長くのびている河原を、男が二人さかのぼっていく。 すたすたと先を行く男は、古ぼけ…

短編小説「燃える島」13/黄健

「いけない! きみの任務は、それではない」 大勲の言葉は厳しかった。それでも、彼の顔を哀願するような眼差しでじっと見つめていた貞姫は、あきらめたような、低い声で言った。 「それでは……、私にも手榴弾を…

短編小説「燃える島」12/黄健

やがて、通路の方から、李大勲中隊長を先頭に、それぞれ自動小銃と手榴弾を手にした中隊員たちの姿が現れた。貞姫は、一人ひとりの顔をじっと見た。中隊長以下全員6名、いずれの顔にもみないつもと少しも変わらぬ闘…

短編小説「燃える島」12/黄健

やがて、通路の方から、李大勲中隊長を先頭に、それぞれ自動小銃と手榴弾を手にした中隊員たちの姿が現れた。貞姫は、一人ひとりの顔をじっと見た。中隊長以下全員6名、いずれの顔にもみないつもと少しも変わらぬ闘…

短編小説「燃える島」11/黄健

どうか当たってくれるようにと心に祈るのだが、相手の敵艦は、あたかも野獣の群れのようにうようよしている。マストごとにはためく色とりどりの旗は、世にまたとない醜悪で憎いものに見えた。 ついにわが方の砲弾が…

短編小説「燃える島」11/黄健

どうか当たってくれるようにと心に祈るのだが、相手の敵艦は、あたかも野獣の群れのようにうようよしている。マストごとにはためく色とりどりの旗は、世にまたとない醜悪で憎いものに見えた。 ついにわが方の砲弾が…

〈聴くシンボ〉(1月17日-1月23日)

「聴くシンボ」は、朝鮮新報電子版 DIGITAL SINBOのニュースを音声でお聞きいただけます。同サービスでは、1週間の主要ニュースをピックアップし、毎週日曜日にダイジェストでお届けします。生活のさ…

短編小説「燃える島」10/黄健

大勲も貞姫もいい知れぬ喜びに目を輝かせていた。 あたりは、しだいに明るくなってきた。敵弾はますます激しくまわりをゆすぶった。しかし二人は、まるで戦争は遠くのことのように、幼い時代のこと、軍隊でのこと、…