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短編小説「伜は前線でたたかっている」4/李相鉉

しかしつぎの瞬間、彼は首をすくめてぶるっと身ぶるいした。 「今日は家で、ゆっくり休むんだな」

短編小説「伜は前線でたたかっている」3/李相鉉

アメリカ軍は、無我夢中で楚山まで進んできたものの、兵糧の輪送が思うようにいかず、まったく弱っているところであった。バーンズのところへは毎日のように、占領地の米を一粒のこらずかき集めて送れと上部からの火…

短編小説「伜は前線でたたかっている」2/李相鉉

爺さんは、庭いっぱいに射した朝日のまぶしさを避けて、幼い頃から見慣れてきたなつかしい村や山々を眺めていたが、目前に迫った死の影を感ずると、ひんやりとしたものを背すじにおぼえて思わず目をつぶった。

短編小説「伜は前線でたたかっている」1/李相鉉

(本編は、朝鮮戦争の戦略的後退期に当たる1950年秋、鴨緑江に近い慈江道の北部山間地域に位置する楚山郡にまで攻め入ってきた米、南朝鮮軍によって一時占領下にあった村の状況を、金萬基という愛国的な老人を中…

短編小説「大いなる心」18/チェ・ハクス

「できますとも!きっとできますわ」

短編小説「大いなる心」17/チェ・ハクス

このとき鋳物職場の統計員がかけこんできた。事務所ヘドンチョルあての市外電話がかかってきたというのである。それはインソブじいさんの息子のトックからのものだった。

短編小説「大いなる心」16/チェ・ハクス

7月に入った。工場の生産計画は緊張状態にあった。冶金設備と電気設備、それにかんがい設備と、緊張を要する生産が矢つぎばやに提起された。ある指令員は、大型切削機か年間計画課題のどちらかを中止して、いずれか…

短編小説「大いなる心」15/チェ・ハクス

「外国へだと?何をいいだすんだ」

短編小説「大いなる心」14/チェ・ハクス

自分の世代に引きつがれる豊かで強力な文明の国をただ黙ってうけつぐわけにはいかないというトック、国からさずかった仕事にいつもかわらぬ忠誠をつくすインソブじいさん、首相同志の前で大型切削機はまかせてほしい…

短編小説「大いなる心」13/チェ・ハクス

ドンチョルは、先刻も通った排風器の本体のかたわらを抜けて、奥ゆきのひろいテントへ案内した。