公式アカウント

〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 71〉三木卓

「ほろびた国」から「向こう側」へ 昨年他界した三木卓(みきたく)は、1969年に書いた初の長編散文作品「ほろびた国の旅」の、2009年の復刊版「あとがき」を次の一文で結んだ。「今の時代を生きる若い読者…

〈読書エッセー〉晴講雨読・独自の哲学を愉しむ内田樹『ためらいの倫理学』/任正爀

本欄で取り上げる本は、まずは朝鮮と関連するもの、次に物理学や科学史など自身の専攻に関連するもの、そして印象深い小説や詩などの文学作品が基本である。他方、ジャンルを問わず個人的に何らかの関係性があるもの…

〈学美の世界 68〉記憶のカケラ/朴美奥

今年で51回目を迎えた在日朝鮮学生美術展。51回展では、コロナ禍の中で開催が難しかった在日朝鮮学生美術展50回記念アートプロジェクト「旅するカケラ」が各地の展示場で行われる。 「旅するカケラ」とは、木…

熱海で「だれいき全国交流会2024」が開催

だれもが尊重される在日朝鮮人社会を目指して 在日朝鮮人社会におけるあらゆる差別や暴力の撤廃を目的とし、「だれもがいきいきと生きられる社会のために」を合言葉に活動する在日本朝鮮人人権協会性差別撤廃部会の…

〈時事エッセー・沈黙の声 52〉袴田巖さん再審無罪判決、人権確立を/浅野健一

事件から58年、自白・証拠の捏造を認定 1966年6月、静岡県清水市(現静岡市清水区)で起きた味噌製造会社の専務一家4人殺害事件で、同年8月に逮捕され80年11月に最高裁で死刑が確定した袴田巖さん(8…

〈西宮SEASIDE支部物語 2〉台本なしの討論、聞きたかった「本音」/趙利寛

風薫る朝、屋上から見える明石海峡大橋の景色は格別だ。海の水面が優しくキラキラ輝いている。どれだけの神戸朝高生たちがこの景色を見てきただろう。6月8日、神戸朝高でゴルフコンペの「チャリティー金贈呈式」を…

40年間に体感したありのままの朝鮮/朝鮮文化研究会第36回講演会

朝鮮文化研究会第36回講演会が9月27日、東京都内で開催され、在日本朝鮮人人権協会会員で清瀬市在住の在日2世・黄正基さんが「祖国訪問で見聞した朝鮮民主主義人民共和国の変遷 1981.5~2018.9」…

光の当たらない存在と伴走続けた「革命家」/金賢玉先生を偲ぶ会、那覇市内で

元総聯沖縄県本部活動家で、日本軍「慰安婦」として朝鮮半島から沖縄に連行された裴奉奇さんを晩年まで支えた金賢玉さんを偲ぶ会が9月21日、沖縄大学アネックス共創館で行われた。同胞有志らが企画した会に会場で…

〈読書エッセー〉晴講雨読・浅川巧を語る評伝と小説(下)/任正爀

1988年に出版された高崎宗司『朝鮮の土となった日本人―浅川巧評伝』(以下『評伝』)によって、浅川巧は多くの人の知るところとなった。在日朝鮮人2世で著名な建築家である伊丹潤(本名庾東龍)は、1983年…

〈ものがたりの中の女性たち83〉「冷水一杯の価値もない詩ですね」―李梅窓

あらすじ 扶安(プアン)の官妓である桂生(ケセン)は詩と歌、楽器の演奏にも秀で、号を梅窓(メチャン)と名乗る。ある日、柳塗(リュド)という士人が彼女を訪ねると、自称豪胆な士人金生と崔生が先客として来て…