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〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 53〉根っこを探し、真っ暗闇を走れ/森崎和江③(追記)

昨年6月に亡くなった森崎和江のことを以前本欄で書いたが、先月森崎その人をモデルに創作された劇団椿組の新春公演「まっくらやみ・女の筑豊(やま)」が新宿で上演された。その感想を綴りたい。 1958年、若い…

〈民族教育と朝鮮舞踊25〉連載を終えて

経験を次世代に 2021年1月から2年間、24回にわたり「民族教育と朝鮮舞踊」のタイトルで連載記事を書かせていただき、先ずは愛読してくださった読者のみなさまに感謝を申し上げたい。 20年の夏に朝鮮新報…

〈学美の世界49〉纏わぬもののカタチ/康貞淑

連なる発想を膨らませた後、間をあけて客観的に判断する。このプロセスの循環が、カタチとなる。カタチは千差万別だが、ひた向きに追い求める者の姿や率直さはみな眩しく映る。 ◇◇ 丸いものは何だろう。太古の生…

〈ものがたりの中の女性たち65〉醜い春香から美しい春香へー「薄色春香説話」

あらすじ 春香は官妓月梅の娘で、醜い容貌のせいで30歳を越えて未婚である。ある日、川で洗濯をしていると、南原府使の子息である李道令(若様)を見かける。名は蒙龍である。その後、恋煩いで寝込むようになった…

〈読書エッセー〉晴講雨読・山本義隆『福島の原発事故をめぐって』が語るもの/任正爀

2011年の東日本大震災から12年になろうとしている。ちょうど干支が一回りする年月で復興もそれなりに進んでいるが、まったく目途が立たないのは福島原発の事故処理である。それも当然で、人間は放射能を制御で…

〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 52〉パレスチナの教育問題とウリハッキョ

映画「教科書のナクバ」を観る アル・ジャジーラ制作のドキュメンタリー映画「教科書のナクバ」の日本語版完成を記念し、2月4日(東京大学)、11日(京都大学)に上映会があり、京都の会で、日本の文脈・在日朝…

〈時事エッセー・沈黙の声 32〉命脅かす入管法改悪案再提出/浅野健一

国際水準に適った人権保障を 岸田政権は今国会に2021年の国会で廃案になった入管難民法改正案(以下、入管法改悪案=旧法案とする)の再提出を予定している。旧法案は名古屋出入国在留管理局で収容中のスリラン…

〈ウリハッキョサポーターの課外授業 朝鮮近現代史編21〉1930年代戦時体制下の朝鮮(1)

「大陸兵站基地」化政策 ■「鮮満一如」 1931年9月18日、柳条湖事件が起こされ、関東軍は満州侵略戦争を開始しました(「満州事変」)。朝鮮軍は関東軍の要請に応じて、兵力の半ば以上を増援部隊として越境…

〈民族教育と朝鮮舞踊24〉舞踊教育の発展のために―新しい舞踊教材と舞踊教員講習―

  民族教育における舞踊教育の今後を展望すると、いくつか課題がある。何よりも舞踊ソジョ(部活)に対する舞踊教育理論の確立、実践的な方法論の研究が必要であろう。民族教育の中での舞踊教育は外での…

〈ものがたりの中の女性たち64〉「それが両班の礼節ですか」―柳氏

あらすじ 妻を亡くした判書尹絳(ユンガン)は晩年に観察使として忠清道に赴く。ある村に着くと、観察使の行列をひと目見ようと村人が大勢集まり、女子どもは塀にもたれかかり見物している。混雑で塀が崩れてしまい…