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「女性の名誉と尊厳を傷付けた」、日弁連と大阪弁護士会が橋下市長に抗議

2013年05月29日 13:48 主要ニュース

橋下徹・大阪市長(日本維新の会共同代表)が軍隊に「慰安婦」制度は必要だったと述べ、沖縄の米海兵隊司令官に風俗業の活用を勧めた問題で、日本弁護士連合会(日弁連。山岸憲司会長)は24日、発言の撤回と被害者への謝罪を求める会長談話を発表。次のように指摘した。

橋下氏の今回の発言は、今なお癒されることのない傷に苦しむ日本軍「慰安婦」制度被害女性に対して更なる苦痛を与えるものである。のみならず、橋下氏の発言は、今日においても軍人及び基地の管理運営に際しては、女性の性を「活用」することが正当化され得るとの認識を示したものであり、日本国憲法が定める個人の尊厳と両性の本質的平等に真っ向から反するものである。国政政党の共同代表並びに地方公共団体の首長として公権力を行使する立場にある公人の発言として、女性の名誉と尊厳を傷付け不適切極まりないものである。

日弁連は、1993年「戦争における人権侵害の回復を求める宣言」、1995年「『従軍慰安婦』問題に関する提言」などで、日本政府に対し、被害者への謝罪と補償、国民への歴史教育を行うよう求めてきた。2010年「日本軍『慰安婦』問題の最終的解決に関する提言」では、「日本軍が直接的あるいは間接的な関与のもとに設置運営した『慰安所』等における女性に対する組織的かつ継続的な性的行為の強制が、当時の国際法・国内法に違反する重大な人権侵害であり、女性に対する名誉と尊厳を深く傷つけるものであったことを認め、日本国として被害者に対し謝罪すること」などを含む立法を提言した。政治家が「慰安婦」の存在や軍の関与を否定した際には、会長声明などを通じて抗議してきた。

一方、大阪弁護士会の福原哲晃会長も27日、抗議声明を発表。「国政政党の共同代表であり、かつ、大阪市長として市民の人権擁護に関する諸施策や教育行政、労働行政等を統括し公権力を行使する立場にある公人が、戦時下の性暴力という最も深刻な人権侵害を正当化し、また、女性の人としての尊厳を深く傷つける発言を行ったことは、極めて不適切」と指摘。「人権を軽視する風潮を助長し、人権侵害を容認するような発言をしたこと」に抗議した。

大阪弁護士会は、1998年会長声明で、検定教科書から「慰安婦」問題の記述を削除すべきでないと指摘し、「自国のたどった歴史的事実を正しく認識することが必要」と表明している。

(朝鮮新報)

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