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東京大空襲68周年朝鮮人犠牲者追悼会

2013年03月05日 16:41 主要ニュース

語り継がねばならない真実

東京大空襲68周年朝鮮人犠牲者追悼会が2日、東京都墨田区の東京都慰霊堂で行われた。会場には総聯中央の朴久好副議長兼権利福祉委員会委員長、総聯東京都本部の黄明委員長など同胞、日本市民ら100余人が参列し、犠牲者を追悼した。

2日、東京都慰霊堂で行われた東京大空襲68周年朝鮮人犠牲者追悼会

東京朝鮮人強制連行真相調査団によると、1945年3月の米軍による東京大空襲によって朝鮮人4万1千余人が被災し、そのうち1万余人が犠牲になった。

追悼会では参加者全員が黙とうを捧げた後、日本キリスト教団の東海林勤牧師が発言した。

東海林牧師は、日本の差別社会の中で2重、3重の苦を強いられてきた在日朝鮮人に対し「加害者である立場をはっきりさせてお詫びしたい」と述べながら、「多くの苦しみ、悲しみ、痛みの中から、人間としての尊厳を貫いて生きてきた在日朝鮮人の方々をはじめ、ここに集まった人々が、人間の尊厳を守る大切さを学び、語りついでいかなければいけない」と語った。

同胞、日本市民ら100余人が参列し、犠牲者を追悼した

次に、東京大空襲の語り部である二瓶治代さんが、68年前の体験を語った。

二瓶さんは、多くの死体の下に「護られ」て生き残った体験を話しながら、在日朝鮮人に対しての思いを述べた。

「遠く離れた異国の地での空襲は、どれほどの苦痛と恐怖に満ちたものだったことか。その無念の思いは想像に余りある」「私たちは同じ地球上に生を受けた者として言葉や文化、国境を超え、この体験を共有し、戦争の本当の姿と記録を残し、戦争のない平和な時代への構築に向けて、共に歩んでゆきたい」(二瓶さん)

続いて、初鹿明博前衆院議員、東京都議会の馬場裕子議員、「日朝友好促進東京議員連絡会」代表の渋谷区議会・芦沢一明議員があいさつした。

初鹿前議員は、東京大空襲を経験し、昨年92歳でこの世を去った祖母のことに触れ、「戦争を体験した世代が段々と少なくなり、空襲の記憶も薄れつつある。いま憲法改正など、戦争に進むような動きが安易に決められようとしているが、決めた人間が絶対戦場に行くことはない。(戦争になれば)死んでいくのは子ども、女性、高齢者たちと弱い立場の人間だ。日本社会全体でそういった危機感を持ち、もっと若い人たちが関心をもってほしい」と語った。

追悼会では、朝鮮日本軍性奴隷および強制連行被害者問題対策委員会、南の対日抗争期強制動員被害調査および国外強制動員犠牲者等支援委員会から寄せられた追悼文が紹介された。また、「浮島丸事件」などをテーマにした京都朝鮮中高級学校の金香弥さん(中3)の作文、「美しさ」(第35回在日朝鮮学生作文コンクール中級部3年作文部門1等)が朗読された。最後に、参列者たちは犠牲者を追悼し、献花、焼香を行った。

「過去の誤りを認め、それを糾すことができる者のみが未来への第一歩を正しく踏み出すことができる」と語った西澤清代表

東京朝鮮人強制連行真相調査団の西澤清代表は、「高校無償化」からの朝鮮学校排除、関東大震災時の朝鮮人虐殺に関する記述を教科書から削除する最近の動きは、「過去の帝国主義戦争と朝鮮の植民地支配を肯定する動きだ」と危惧。朝鮮への独自制裁や中国をはじめとする近隣諸国への「敵視政策」を煽る日本政府の動きは、「危機感を煽り軍事拡大に走っている」と非難した。

また西澤代表は、朝鮮の地で亡くなった日本人犠牲者の遺族らを朝鮮政府が昨年に訪問団として入国を許可したが、日本政府は朝鮮の遺族の日本入国を拒否していることに触れ、「日本政府には過去をきちんと清算させ、人道に反しない措置を取らせなければいけない」「過去の誤りを認め、それを糾すことができる者のみが未来への第一歩を正しく踏み出すことができる。いま、私たちにとって大切なことは戦争につながるすべての動きに素早く対応し、その芽を摘むこととだ」と主張した。

追悼会の最後に、3月31日に日比谷野外音楽堂で行われる大集会、「朝鮮学校はずしにNO! すべての子どもたちに学ぶ権利を!」のアピールも行われた。

(李炯辰)

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