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〈シンボに聞こう朝鮮のあれこれ1〉ニュータウンには誰が住んでいるの?

2023年08月16日 08:04 朝鮮半島

今さら聞けない朝鮮のあれこれを解説します

住宅事情

和盛通りの新居に引っ越す平壌市民(4月、朝鮮中央通信)

Q 平壌をはじめ最近立派な住宅群が建設されているけど、誰が住んでいるの?

A 2010年代には科学者、教員に対する優遇措置の一環で、銀河科学者通り(13年)、衛星科学者通り(14年)、未来科学者通り(15年)、黎明通り(17年)などのニュータウンが建設されました。

平壌に最近建設された松花通り(21年)や和盛通り(22年、第1段階)は、これらより規模がはるかに大きく、各部門で働く勤労者やもともと住んでいた住民など一般の人たちが住んでいます。

09年1月21日に採択された「住居法」は、革命闘士、革命烈士家族、英雄、戦争老兵、退役軍人、教員、科学者、技術者、功労者、労働革新者や、多世帯や重要部門で働く勤労者にまず与えると規定しています。

Q 家賃はどれくらい?

A 朝鮮では国家が人民に無償で住宅を保障することになっています。だから無料です。

1978年4月18日、最高人民会議で採択された「社会主義労働法」には、国家は勤労者たちに使用価値があり文化的な住宅を保障し、農村文化住宅を国家負担で建設して農場員らが無償で利用するようにすると規定されています。

前述の「住居法」でも、現代的な都市住宅と農村住宅を国庫負担で建て人民に与えると規定されています。

Q 災害で家を失った場合は?

A 「住居法」には、自然災害で家を失った世帯に義務的に割り当てるという項目もあります。

これに乗じて、被災者が、被害にあった家を修理するのではなく自ら破壊してしまった例もありました。15年夏、咸鏡北道羅先市での出来事。修理すればいくらでも住める家でしたが、一部住民は新居で暮らしたいという気持ちを抑えきれず壊してしまいました。

このことは同年9月に現地に赴いた金正恩総書記に報告されました。しかし総書記は、問題視するべきでない、党に寄せる信頼にこたえようと述べたそうです。

20年夏に豪雨被害を受けた黄海北道銀波郡大青里では、400〜500世帯を新築し、あとは補修する案もありましたが、結局800世帯すべて新築したという話もあります。

サッカー

「1部類」に属する男女それぞれ12の強豪チームが熱戦を繰り広げている(平壌支局)

Q 朝鮮に日本のJリーグみたいなものはある?

A 「1部類サッカーリーグ戦」というのがあります。

年末の12月から翌年の10月頃まで3つのステージに分けて、2017年から毎年行われています。

女子も同時期に平行して行われています。

男女それぞれ「1部類」に属する12の強豪チームが参加しています。4・25、機関車、平壌、妙香山、黎明などです。

朝鮮にも熱狂的なサッカーファンがいます。

試合前、金日成競技場周辺に多くの人たちが群がっている光景をよく見かけます。かれらはスポーツ新聞(체육신문)を回し読みするのですが、新聞には試合結果とともに、今後の試合日程や見どころが載っています。

現在男子は4・25チームが4連覇中で、今回も1位を快走しています。

女子も4・25チームが優勝をさらってきたけれど、昨年度はネゴヒャンチームに初優勝を献上してしまいました。巻き返しをはかり、6月の第2ステージ終了時点で4・25が1位です。勝ち点2の僅差でネゴヒャンが2位につけています。

人気スポット

Q 朝鮮で名高い人気スポットは?

2013年7月にリニューアルオープンした祖国解放戦争勝利記念館(朝鮮新報)

A 挙げはじめたらきりがないけれど、今年は祖国解放戦争(朝鮮戦争)の勝利から70周年を迎えるとあって、祖国解放戦争勝利記念館に多くの市民、学生が訪れています。

普通江のほとりに1974年に開館し、ちょうど10年前の2013年7月、戦勝60周年に際してリニューアルオープンしました。

朝鮮戦争が行われた1950年6月25日から1953年7月27日までの3年間を4段階に分けて解説してくれる時期別のコーナーや、「月尾島防衛戦闘」「1211高地戦闘」など代表的な戦いを紹介するコーナー、英雄たちを紹介するホールなど80の展示室があります。広い敷地に膨大な資料が展示されていて1日では回れないかもしれませんが、朝鮮戦争のことをしっかり学べます。

野外展示場には「プエブロ」号も展示されています。これは1968年1月、朝鮮人民軍が朝鮮東海で拿捕した米国のスパイ船です。世界には、敵からろ獲した軍器や武器を展示した様々な博物館がありますが、「唯一超大国」米国から奪った軍艦を展示している戦勝記念館は朝鮮にしかありません。

(朝鮮新報)

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