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〈シンボに聞こう朝鮮のあれこれ4〉Q 労働新聞はどんな新聞?

2024年02月06日 15:13 朝鮮半島

今さら聞けない朝鮮のあれこれを解説します。

新聞

Q 日本のメディアでも労働新聞がよく引用されているけど、どのような新聞なの?

A 朝鮮労働党中央委員会の機関紙です。

朝鮮労働党の路線と政策を党員と勤労者に伝え、その貫徹へと呼びかけることを使命としています。

党が国家を指導する体制の朝鮮では党の声、すなわち労働新聞が国内外のあらゆる問題をどのように報道し、どのような立場と見解を示しているのかが重視されます。

同紙は、1945年10月10日の朝鮮労働党創建から3週間後の11月1日に『正路』という名で創刊され、翌1946年9月1日に現在の『労働新聞』に改題されました。

朝鮮では労働新聞の創刊日の11月1日を「出版節」として祝っています。数ある出版物の中で労働新聞の創刊日を出版節としていることからも、同紙が朝鮮の出版物の中心であることが窺えます。

労働新聞1月22日付の1面

Q 紙面の構成は?

A 基本的に6つの面で構成され、重要ニュースが多いときはページ数が増えます。

1面は総合面で、金正恩総書記の動向や国内の重要ニュース、社説などが掲載されます。

とくに総書記の活動は労働新聞社の「政治報道班」が詳細に伝えています。

この報道を朝鮮中央通信が内外に配信しています。過去には「政治報道班」の報道を朝鮮中央通信が要約して配信することもありましたが、最近は全文を配信しています。

この他にも経済、文化、生活など国内のニュースが掲載されます。

また、模範的な集団や個人が頻繁に紹介されるのも大きな特徴です。コロナ対策に模範的に取り組んでいる単位が紹介されていることから、現在もコロナ対策が徹底されていることが窺えます。

諸外国のニュースは主に6面に掲載されます。能登半島地震についても写真入りで大きく報じられました。さらに、「総聯ニュース」という固定タイトルで、週に1回程度在日同胞社会について紹介されています。

Q 労働新聞の他にどのような新聞があるの?

A 最高人民会議常任委員会および内閣機関紙の民主朝鮮があります。最近採択されたり改正された法律について解説する欄があるのが特徴と言えます。

国防省機関紙の朝鮮人民軍、社会主義愛国青年同盟中央委員会機関紙の青年前衛は、金日成主席が逝去した翌年1995年から2012年まで1月1日付に、労働新聞と共に新年の辞に代わる3紙共同社説を掲載しました。

平壌新聞など地方紙もあります。平壌新聞には市内の劇場や映画館の運営日程、テレビの番組欄、新たに開店した市内の商店、食堂の紹介記事なども掲載され、市民に身近な存在となっています。

この他にも、経済新聞、体育新聞、文学新聞などの専門紙が発刊されています。

冬休み

Q 学校の夏休みや冬休みに宿題がないの?

A 2019学年度の冬休みから、なくなりました。

子どもたちでにぎわう馬息嶺スキー場(撮影・盧琴順)

遊園地や動物園、スケート場などはよりにぎわっています。

かといって、休み期間に何もないわけではありません。テコンドーや卓球、スイミング、舞踊、声楽、ピアノ、美術、作文、習字、読書など様々なクラブが運営され、子どもたちが好きなクラブを自分で選んで参加できるようにしています。

この措置の目的について教育省の局長は、本紙記者に、「子どもたちが自ら学習、探求できるようにし、また、小さなことでも自らの手で成功の体験をさせることにある」と述べています。

一方、今年度の夏休みは大幅に延長されました。これまでは1カ月でしたが、今年度は小学校、初級中学校(中学校に相当)では7月1日から62日間、高級中学校(高校に相当)では7月22日から41日間でした。

子どもたちは大喜びだったそうです。

禁煙

Q 朝鮮には喫煙者が多いイメージがあるが。

A 祖国訪問時に、タバコをやめた知人や親戚が多く、喫煙者が減少していると感じることがあるしょう。実際、喫煙できる場所がめっきり減りました。

「禁煙研究普及所」における禁煙希望者相談サービス(朝鮮中央通信)

朝鮮は2005年4月にWHOタバコ統制枠組み条約(03年採択)に加入。毎年、世界禁煙デー(5月31日)に際してイベントを行うなど様々な禁煙運動に取り組んでいます。

法規制も段階的に強化されています。

「タバコ統制法」(05年制定)に続いて、20年11月4日に「朝鮮民主主義人民共和国禁煙法」が採択されました。民主朝鮮20年11月25・28日付によると、禁煙法ではタバコの生産および販売の統制強化について規定し、喫煙禁止場所として劇場や映画館など公共の場所や医療機関、教育機関、レストランやホテルなどのサービス施設などを定めています。喫煙秩序に違反した場合は罰金などの処罰が科されます。

(朝鮮新報)

質問をEメール、ハガキで募集しています。朝鮮新報社編集局「シンボに聞こう」係まで、本紙に対する意見や感想、要望なども添えてご記入ください。
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