公式アカウント

〈シンボに聞こう朝鮮のあれこれ2〉Q梅雨はあるの? 特徴は?

2023年09月15日 07:12 朝鮮半島

今さら聞けない朝鮮のあれこれを解説します

気象

Q 朝鮮にも梅雨はあるの?

A 梅雨を「チャンマ(장마)」と言いますが、日本の梅雨とはだいぶ異なります。

期間は7月10日前後から8月末くらいまでで、日本で梅雨が明ける頃に始まるのが特徴です。

また、「中断期」があります。7月下旬頃から8月上旬頃は高気圧に覆われ、この時期は各地で日照りと高温現象が観測されることが多いです。その後にまた雨季が始まるので、イメージとしては梅雨が2度来ます。

「석달(3カ月)장마」という言葉があるくらい、雨季は大幅に長引くこともあるようです。

ちなみに「ポリ(麦)チャンマ」というものもあります。7〜8月の本格的な「チャンマ」の前、麦が実る時期に来るものです(今年は6月8日開始)。通常まとまった雨が降るわけではなく、3〜5日間で終わることもあれば、降ったり止んだりを繰り返し10日間以上続くこともあります。

異常気象による被害を未然に防ぐための対策が講じられている(労働新聞)

Q 朝鮮の夏も暑いの?

A 朝鮮では猛烈な暑さを「暴炎 (폭염)」と言い、その基準は最高気温33度以上です。

近年、朝鮮でも厳しい猛暑が観測されています。

今年8月上旬、各地で連日「暴炎」が観測され、内陸部などの一部地域では35〜37度の高温現象がありました。メディアは注意を呼びかけ、平壌市住宅建設場などでは野外作業が禁止される措置も取られました。

Q 異常気象現象が頻発しているそうだが。

A 今年梅雨入りしたのは、平年より半月も早い6月26日でした。また、朝鮮に台風が上陸するのは珍しいのですが(平均年0.3個)、8月に6号が直撃しました。

一方冬には、凍った大同江の上を歩く市民の姿を00年代までよく見かけましたが、近年は一切見られません。マイナス35度くらいまで下がる1月の白頭山の最低気温が、マイナス20度程度の日もざらにあります。

各地で起こる集中豪雨や猛暑、日照りなどは枚挙にいとまがありません。朝鮮ではこのような異常気象を既成事実化し、事前対策を徹底して被害を最小限にとどめる努力が国家レベルで行われています。

食文化

「ハマグリのガソリン焼き」のようす(盧琴順)

Q 「ハマグリのガソリン焼き」って何?

A 主にコンクリート上にハマグリを並べ、ガソリンを少しずつかけて焼く「料理」です。「조개(貝)구이(焼き)」と言います。

ガソリンとそれを入れる容器、ライターさえあれば簡単にでき、調理器具や「技術」も要りません。ハマグリを積んだあるトラック運転手が移動中の路上でやり始めたのをきっかけに広まったとされます(諸説あります)。

しかし、焼いた貝から地面に滴り落ちていく汁がもったいない!

このような要望に応えるべく、「海鮮蒸し」というコース料理が2018年頃から平壌市内各所の飲食店ではやり始めました。

人気を博している「海鮮蒸し」(盧琴順)

ハマグリをはじめカキやアワビ、サザエなどの貝類の他に、タコ、エビ、ワタリガニなど各種海産物を、蒸し器が設置された専用テーブルで蒸します。蒸し器の下にはあらかじめコメが仕込まれており、これらを食べ終わった頃には、滴り落ちた魚介のエキスが染み込んだ雑炊が出来上がる仕組みです。

「海鮮蒸し」には10種前後の海産物が使われ、最高13種を扱う店もありました。

国旗

デパートに国旗が描かれた衣服が並んでいる(朝鮮中央通信)

Q 近く建国記念日を迎えるけど、家庭でも国旗を掲げるの?

A 愛国心を柱とする「わが国家第一主義」が強調され始めた2019年頃から、国旗を掲げる家庭が増えています。国家的な記念日だけでなく、秋夕など民族の名節や新居移転など祝い事があるときによく見られる光景です。

学校では毎週月曜に国旗掲揚式が行われています。

国旗が描かれた衣服が人気を博すなど、人々にとって国旗は普段から身近なものとなっています。

朝鮮の国旗は赤、白、青の3色で構成されています。ざっくり言うと、赤色は抗日革命闘士が流した血、白色は白衣民族、青色は朝鮮の自主権を、また、白い丸円の中の赤星は未来の勝利を象徴しています。

(朝鮮新報)

質問をEメール、ハガキで募集しています。朝鮮新報社編集局「シンボに聞こう」係まで、本紙に対する意見や感想、要望なども添えてご記入ください。
Eメール:sinbo@korea-np.co.jp
住所:〒174-0051 東京都板橋区小豆沢4-24-16 3階

Facebook にシェア
LINEで送る