〈ここで育つ―夏期学校を訪ねて〉“家みたいに落ち着く”/群馬
2022年08月24日 08:00 民族教育コロナ禍が続くなかで迎えた今夏、各地で「ハギハッキョ」(夏期学校)が開校した。コロナ以後、人々をとりまく環境や活動様式が変化するなか、民族教育における準正規教育の現場はどのような状況にあるのか。各地の「ハギハッキョ」を訪ねた。
「今日のウリマル教室を始めます。まずこれまで習った内容を復習しましょう」
「アンニョンハセヨ(こんにちは)、コマウォヨ(ありがとう)、モッケッスンミダ(いただきます)…」。朝鮮学校で日常的に交わすこれらの挨拶は、夏期学校で学ぶ受講生にとっては新鮮な言葉だ。私、お父さん、お母さん、お兄さん、お姉さんといった呼称もそう。27日から今月26日まで群馬初中で行われている夏期学校では、日本学校に通う受講生らを対象に、「ウリマル教室」が開校している。
「宿題を出したと思うけど、ソンセンニム(先生)たちに朝鮮語で何歳か聞いてみた?」
「聞いてきたよ!」
「なんて言っていた?」
「ヨルイルゴプ!!」
「そしたらヨルイルゴプは何歳だと思う? ヨルとイルゴプだから??」
「10と7で17じゃない??」
「正解!」
これは、前日に出された宿題を確認する受講生と講師のやり取り。「ハギハッキョ」の講師を務める朝大生や朝高生らに対し、授業で習った疑問形のフレーズを使って朝鮮語で質問し、返ってきた答えを発表する場面だ。このように、「ウリマル教室」では、受講生らが朝鮮語を習得できているのかを、授業時間だけでなく対話を入れた宿題を通じて確認していた。
群馬では、近年、同校に通う児童らと日本学校に通う児童らを対象に、毎年夏、「ハギハッキョ」が行われてきた。朝青本部が主管し行われる群馬での「ハギハッキョ」は、コロナ禍の2020年以降も、形式を工夫しながら運営されており、同年には、朝青員たちが受講生らの自宅を訪問しながらリレー形式で交換日記を回すという、斬新な形式も導入。今年は、感染対策をとりながら、学校での対面開催となった。