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成し遂げた夫婦の目標/李仙香

2025年03月31日 13:00 それぞれの四季

この度、21年ぶりに「それぞれの四季」に寄稿することになった。

21年…あっという間だったと言いたいところだが、振り返ってみれば一日、一週間、一カ月、一年…いろんなことがあった。いや、あり過ぎた。たくさん笑った。たまに泣いた。嬉しくて叫んだこともあれば、悔しくて眠れなかった日もある。悩むことも多々ある。選択に迫られることもある。転職もした。これが人生ってものなのだろう。

あの頃、オンマがこの世のすべてだった息子はもう25歳。機嫌が悪いと、ウザがられる。そして、当時1歳でわが家の絶対的アイドルだった娘も朝鮮大学校を卒業した。春から社会人だ。

子どもたちが幼い頃、夫に言った言葉がある。

「子どもたちの大学の卒業式には必ず夫婦そろって参加しよう。二人が自分たちの意思で朝大に行ってくれればいいね」

私たち夫婦はその目標を成し遂げた。いま親としての役割を「とりあえず」終えてホッとしている。私たち夫婦が子どもたちに遺してあげられるのは、きっと「教育」だけ。子どもたちを朝鮮大学校へ送って、本当に良かった。朝大でしか学べないことがある。朝大だから学べることがある。

息子は朝青の専従活動家をしながら日々感じていると思う。そして娘はこれから身をもって感じるはず。

祖国と深く繋がる朝大で、一生の友人たちと寝食を共にしながら語り合った夢と希望をひとつひとつ叶えていってほしい。

(京都市在住、文芸同京都支部・文学部長)

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