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過去に思いをはせる/趙晃來

2024年12月22日 08:00 それぞれの四季 コラム

12月初旬、演劇やミュージカルが好きな妻の希望で、東京中高で行われたマダン劇を観に行ってきた。瀬戸内海に浮かぶ長島という小さな島にあるハンセン病患者の隔離施設「長島愛生園」に暮らすおっちゃん・秋やんと、少女・みんの30年にわたる物語、「島のおっちゃん」(劇団タルオルム)。マダン(広場)劇という名のとおり体育館の床を舞台に、観客のすぐ目の前で素晴らしい演技は繰り広げられる。90分の劇はあっという間にフィナーレを迎えた。特に印象深かったのは、訪れる若者たちに長年にわたって食事や酒をご馳走し、ハンセン病によって指先が不自由でも、構わず食事を作り、お金を工面するために無理をしてまで都会に出掛けてゆく秋やんの姿だ。

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