旅路が教えてくれたこと
2024年07月31日 10:30 コラム 取材ノート
潮風が頬をなでる。目の前には群青色の海に、晴れ渡った青空ではなく、あいにくの曇り空。「歴史の『語り部』を探して:関西編」の取材で兵庫・室津に降り立った。曇り空は港町に、ゆったりと流れる時間を際立たせていた。くさいとも、いい香りとも言えない、独特な海の匂いが漂う漁港を横目に、室津海駅館に向かった。昔の家屋の遺構を利用した展示室には、朝鮮通信使の歴史がしっかりと網羅され、当時の饗応料理の再現品は、腹の虫を刺激してくる。また、そこを去る際には、低い天井に頭をぶつけ、昔の人々は背が低かったことも痛感した。
京都でも、通信使の旅路を辿った。