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団結力を発揮、地域活性化の糧に/第26回オモニバレーボール大会

2024年05月26日 07:47 スポーツ 在日同胞

女性同盟中央が主催する「第26回在日朝鮮オモニ中央バレーボール大会」が18~19日にかけて兵庫県立総合体育館で行われ、大阪・生野西が初優勝の栄冠に輝いた。6年ぶりに開かれた今大会には各地から16チームが参加し、チームの団結力を遺憾なく発揮した。

「第26回在日朝鮮オモニ中央バレーボール大会」が兵庫県で行われた。写真は予選リーグのようす(生野南対大田)

“半端じゃない信頼関係”

西東京「パラム」は決勝トーナメントこそ逃したものの、親善試合を含め3勝1敗の好成績を残した。その結果にメンバーたちは「3勝もできたのは何年ぶりかしら」「結成以来はじめてじゃない?」と笑顔を見せる。

好成績の裏にはチームの潜在力を引き出した金憲誠監督(45)の存在があった。神戸朝高バレー部出身の金監督は2017年に「パラム」に加入した妻・尹理実選手(34)の練習に付き添う過程で監督を引き受けた。「チーム内にバレー経験者と未経験のオモニがいるので、初心者でも付いていけるような練習を心掛けてきた」という。

金監督自身も同大会は未経験だった。大会を通じて「バレーに夢中になっている選手たちの姿と熱気にオモニパワーを感じた」と振り返る金監督は、試合中、「『試合に出させてください』というアピールがものすごく、監督として上手に調整するのが難しかった」と笑みを浮かべた。

その「オモニパワー」の特徴について尹理実選手は「オモニたちの半端じゃない信頼関係」を挙げる。それはバレー以外の地域女性同盟の活動や子育ての面で築かれたものだった。兵庫から引っ越してきた尹さんは「チームメイトであるオンニたちが様々なサポートをしてくれた。オンニたちに子どもたちを育ててもらったと言っても過言ではないくらいお世話になった」と話す。また、ウィングスパイカーとしてチームの好成績に貢献した尹さんは「選手たちみなが努力してボールを拾い、上げてもらったおかげだ。本当に感謝しかない」と感慨深く語った。

得点のたびにオモニたちの笑顔が花咲いた

日本のクラブチームにも属している福岡「セットン」の李貞愛選手(38)は「団結力は間違いなく私たちが勝っている。やはり同胞同士の繋がりが大きい」としながら「セットンがあることによってウリハッキョに足を運び、繋がりを保てている同胞もいる」と話す。そして、山口朝高(当時)バレー部以来の中央大会となった李さんは「各地から幅広い年代のオモニたちが集って活躍する姿や、お互いに励ましあって楽しくプレーする姿に刺激を得た」と喜びを語りながら、今大会への参加を後押ししてくれた家族たちへの感謝を述べた。

「同じ朝鮮の血が流れているから結束力がよく、親しみのあるチームになっている」と語るのは東京・大田の呉清子選手(74)。「一つのボールを落とさないためにみなで助け合ってプレーする醍醐味」に魅せられているという呉さんは、他チームのファインプレーにも感心しながら「絶対にボールを落とさないという根性、伝統を若い世代に伝えてリベンジを果たしたい」と語った。

接戦が繰り広げられた決勝トーナメント

同胞社会を強く結びつけ

一方、今大会では広島・岡山「ピンナラ」が頭角を現した。惜しくもメダルは逃したが、試合内容は手に汗握る大接戦だった。「ピンナラ」の金成蘭選手(39)によると合同練習を月に1回、広島初中高で午前から午後にかけて行っていたという。また、昼には女性同盟広島がピビンパやクッパを用意し、大会当日には各地域から応援団も駆け付けた。

その期待に応えるべく最後まで戦い抜いた金さんは「合同チームなのでチームワークの面で難しいところはあったが、勝ち進むにつれてお互いの信頼関係が一層深まった」としながら、「各地域のオモニバレーを盛り上げて、いつかは広島と岡山による決勝戦を実現したい」と展望した。

開催地となった女性同盟兵庫県本部の文美幸委員長は「各地から集まったオモニたちを歓迎するために運営に携わった」とし、「自身も88年からオモニバレーを始め、バレーを通して同胞社会が活発になることを体験した」と話す。文委員長は「選手たちの大きな目標になっているこの大会は、同胞社会を強く結びつけてくれる貴重な大会だ」と、意義を語った。

(高晟州)

大会成績

1位 大阪・生野西

2位 大阪・生野南

3位 大阪・中西

4位 広島―岡山「ピンナラ」

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