〈入学式2024〉地域同胞の協力に支えられ/岡山初中
2024年04月11日 12:50 民族教育岡山初中の入学・入園式(5日)では、総聯岡山県本部の呉信浩委員長をはじめ各機関、団体の代表、保護者、同胞らが共に祝った。
新入生たちが、教職員と在校生、同胞たちの温かい拍手の中で迎え入れられた。在校生たちによる花道と紙吹雪で歓迎される新入生たちの緊張した姿を、参加者たちは微笑ましく見守っていた。
呉信浩委員長は祖国から寄せられた祝電の紹介に続き、「ウリマル、朝鮮の歴史や地理、民族の伝統を思う存分に学び、立派な朝鮮人に育ってくれることを心から願う」と話した。
祝辞を述べた秋剛鎬校長は「たくさん学び、食べて、遊んで、トンムたちと共に楽しい学校生活を送りましょう。在日朝鮮人としてのルーツについて深く知り、大木のように大きく育ってください」と話した。また、英語教育、ICT教育、習字の授業など、教育面の強化にいっそう注力していくとした。
40年以上使用され老朽化が進んでいた同校校舎の廊下と階段が、新年度のスタートに合わせて改修されたことが報告された。県内同胞女性たちで構成される朝鮮舞踊サークル「향(響)」を中心に主管される慈善公演「길잡이(道のり)」(7月7日に第4回公演が開催予定)の実行委員より改修費が支出された。
また、新年度開始後まもなく、オモニ会により10人乗りの通園バスが寄付される予定。秋校長は関係者たちに感謝を述べた。
初級部に入学した安陽宇さん、具世悰さんが新入生代表のあいさつを朝鮮語で披露し、中級部に進学した崔龍世さんが決意表明を行った。
双子の李相侑さん、李侑河さんの入園を迎えた母親の曺良淑さん(41)は「岡山同胞たちの温かいお祝いの中、入園を迎えることができて喜びと安堵感に包まれている」と話す。すでに年長クラスに長男を通わせる曺さんは、「長男は3月生まれで、他の子より成長が遅いのではないかと心配もあったが、ハッキョに通い始めてすぐに言葉も上手くなり、人前でも堂々とするようになった」と、学校への信頼を語る。自身も初級部1年生の時から民族教育を受けてきた経験から、子どもたちにも民族教育を受けさせたいという思いを持つ曺さんは、「ウリハッキョは人間力や社会性も育んでくれる。たくさん学んで、在日朝鮮人としての誇りを胸に、日本社会や国際社会で活躍できる人材に育ってくれたら」と目を細めた。
孫圭花さん(43)は、初・中級部の9年間を岡山初中で過ごした。1、2番目の子どもに続き、この度、娘の金藍里さんを初級部1年に入学させた孫さんだが、過去には日本学校へ子どもを送ることを考えたこともあると話す。しかし、日本学校を訪ねたときに「やっぱりここじゃない」と感じた。「ウリハッキョのいい所は、在日朝鮮人としての自尊心を満たしてくれる所。夫とも話し合って、子どもたちが本当の自分でいられる唯一の場所がウリハッキョだと考えを改めた」と語る孫さんは「県内同胞たちの手で支えられるここで、たくさんトンムを作って、在日朝鮮人としての自覚を持って堂々と生きてくれたら」と期待を込めた。
(朴忠信)