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秘訣は信頼関係と使命感/第2回6人制混合バレーボール世界大会

2024年03月01日 13:37 スポーツ

数多の強豪抑え準優勝

22日から26日にかけて、千葉県館山運動公園体育館で行われた第2回6人制混合バレーボール世界大会「The 2nd 3&3 Mixed Volleyball World Cup」(主催=日本混合バレーボール連盟)。13の国と地域のチームが参加した今大会では同胞選抜チームがFREE部門で準優勝を果たした。

決勝の舞台でスパイクを放つ鄭相人選手

「敵」がチームメイトに

チームは過去に行われた在日朝鮮学生中央体育大会や選手権大会(主催=在日朝鮮人バレーボール協会)の優秀選手たちの中から、さらに選抜されたメンバーたちが揃う。しかし、他チームとは違い、東京と大阪での地域別練習を1月から行い、2月中旬に3日間の合同合宿を行ったのみの「急造チーム」だった。大会期間、同胞選抜チームが発揮した団結力の基盤には固い信頼関係と未来の同胞社会を担う使命感があった。

鋭いスパイクでチームを勢いづけた鄭相人選手(25、東京中高出身)は高級部時代、「(学生中央大会で)唯一の対戦校である大阪中高・男子バレー部に勝つために練習するのが伝統だった。大阪は完全に『敵』、ライバルと認識していた」と語る。今回、同胞選抜チームのメンバーにはかつて対戦した大阪中高出身の高昇佑選手(25)と崔太煌選手(25)がリベロ(守備専門)として選ばれていた。「スパイカーにとってリベロの安定性はスパイク成功率に直結する。リベロがうまく拾うとトスも正確にあがるからだ」と強調する鄭さんは「敵にいたら嫌な人たちが味方にいてくれて頼もしく、安心してボールを預けることができた」と笑みを浮かべた。

左から鄭相人選手、崔太煌選手、高昇佑選手

一方、高昇佑選手は鄭さんについて「東京中高・男子バレー部の中でもエースとして際立っていた。サービスエースを2、3本とられた」と回想する。かつての対戦相手と共にプレーができて新鮮な気分だという高さんは「コミュニケーションや連携も問題なかった。苦しい2段トス(レシーブが乱れた際、セッター以外があげるトス)も逃げずに打ってくれるので思い切ってプレーできた」と語った。

「まったくの初対面の時は怒りっぽいという印象だった」と打ち明けるのは崔太煌選手。崔さんは朝鮮大学校バレー部で鄭さんと共に練習し、「一生懸命に黙々と練習に打ち込む姿を目の当たりにしたことで、試合中に熱くなる理由を理解した」と語る。また、リベロとして出場した崔さんは「アタックをブロックされると、次の攻撃の際にそれが頭によぎってしまう。だからこそ、気持ちよく打たせてあげるために安定したレシーブを心掛けた」と話す。現在、東京朝鮮排球団に所属する崔さんは「普段は地域別に対戦する仲だが、今回のように一緒に仲間になってバレーができるというのは何よりも楽しい。また、これから選手権大会でお互いを意識しながらプレーもできる」と顔をほころばせた。

かつてはライバルだった選手たちが一つのユニホームをまとい共にプレーする。その後ろ姿に「未来の同胞社会を担う使命感」を見ていたのは朝鮮大学校・女子バレー部から招集された学生たちだった。

左から李瀬莉さん(外国語学部4年)、李知陽選手(政治経済学部3年)、金咲那選手(体育学部2年)、梁裕陽選手(外国語学部3年)、朴理瑛選手(教育学部3年)

勝利に貢献した朝大生

今大会には朝鮮大学校女子バレー部から4人の選手が出場。昨年、同部は20年ぶりに関東リーグ3部へ昇格した。

「『背負ってるもんちゃうぞ!』

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