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〈学美の世界61〉有限な生命を燃焼する無限な生き方/康貞淑

2024年02月19日 13:48 寄稿

 生き物に魅せられそれらの特徴を語る子どもたちは、表層の形や色を描きながら、目に見えない深層の多様性を無意識のうちに捉えているかもしれない。書類上の属性ではない、価値観などのパーソナリティーは視認できない。心が趣くままに様式美から複眼的アプローチへと、深みを増しながら表現することに時間を費やす。その軌跡を辿れば、有限な生命を燃焼する無限な生き方の一端を垣間見ることができる。

多様性の起源

作品①「カンブリア紀の荒れた海」。第49回学美(2022)入選(中央審査中止のため授業作品は各地方による入選)、東大阪初級3年 河埈永

 作者の手引きで海にひっそりと開かれた入り口へ誘われる。作品①で描かれた有史以前の生き物たちが織りなす海の宴は、後々に誕生する鳥類、昆虫類を歓待しているかのようだ。学童期の作品は生き物に対する好奇心と描く喜びに満ちている。アノマロカリスを筆頭に5つの眼を持つオパビニアが生息したカンブリア紀。命の脈動がぶつかり合うたびにパチパチと化学反応が起き、想像力をかきたてる。

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