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被害者に公式謝罪と賠償を/京都・舞鶴で浮島丸殉難78周年追悼集会

2023年08月31日 08:30 歴史

浮島丸殉難78周年追悼集会(主催=浮島丸殉難者を追悼する会)が8月24日、京都府舞鶴市の「殉難の碑公園」で行われた。総聯京都府本部の姜世哲委員長、民団京都府本部の金政弘団長、追悼する会の品田茂会長をはじめとする同胞と日本市民ら250人が参加した。

黙とうを行う参加者たち

1945年8月24日、祖国解放を迎え帰国しようとした青森県内の朝鮮人ら数千人を乗せ青森・大湊港を発った旧日本海軍輸送船「浮島丸」が舞鶴湾下佐波賀沖で爆沈し、549人(日本政府発表)が犠牲となった。現在も正確な犠牲者数や事件の原因などは不明で、真相究明が課題となっている。追悼集会は1978年に「殉難の碑公園」と追悼碑が建てられたときから毎年行われてきた。

集会では、参加者たちが黙とうした後、品田茂会長、姜世哲委員長、金政弘団長が追悼の辞を述べた。

品田会長は、故郷へと帰ろうとした多くの朝鮮人たちが浮島丸の爆沈により尊い命を失ったとしながら、国家および日本人の責任として、浮島丸爆沈に関する事実を解明し、未解決の問題を解決していかなければならないと強調した。

姜委員長は、故郷の地を踏むことなく見知らぬ舞鶴の地で命を失った犠牲者に哀悼の意を表しながら、日本政府が浮島丸事件被害者に公式に謝罪し賠償するとともに、真相究明を行い、植民地支配をはじめとした日本の加害の歴史を清算するよう求めた。

浮島丸殉難78周年追悼集会が「殉難の碑公園」で行われた

集会では、朝鮮の朝鮮人強制連行被害者・遺族協会、加藤勝信厚生労働大臣、日本共産党の穀田恵二衆院議員、井上哲士参院議員、倉林明子参院議員、「浮島丸下北の会」の村上準一会長、朝鮮人戦争犠牲者追悼会世話人一同などから送られた追悼メッセージが紹介された。

また京都中高の高級部声楽部の学生らが追悼歌「はまなすの花咲きそめて」を歌った。

参加者たちは最後に、殉難現場である舞鶴湾に向かって花を手向け、手を合わせた。

追悼歌「はまなすの花咲きそめて」を歌う京都中高の高級部声楽部の学生たち

追悼歌をうたった京都中高高級部3年の金慶奈さんは「過去に朝鮮人が受けた悲惨な歴史を忘れてはならないと感じた。このようなことが二度と繰り返されないように、私たちが歴史を学び後世に伝え、日本政府に対して植民地支配の清算を訴えていかなければならない」と述べた。

女性同盟京都・南支部の組織部長兼子育て支援部長を務める申知夏さん(45)は「浮島丸事件だけを見ても、朝鮮への植民地支配をなかったことにしようとする日本政府の目論見が見て取れる。この事件を取り巻く未解決の問題を早期に解決し真相を究明しなければならない。娘が追悼歌をうたう姿を見てその思いがいっそう強くなった」と話した。

一方、追悼集会に続いて、約40人の同胞、学生、日本市民らの参加のもと、品田茂会長と追悼する会の橋本栄治事務局長による現地案内と講演が行われた。

(安鈴姫)

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