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〈関東大震災朝鮮人虐殺100年〉朝・日大学生ら、真相究明と国家責任を追及する行動

2023年08月29日 20:48 歴史

当事者として、史実直視し行動を

「朝鮮人虐殺の歴史を記憶し、朝鮮人差別を反対する一大行動」実行委員会が主催するデモパレードが行われた。

関東大震災から100年を迎えるにあたり、震災当時におきた朝鮮人虐殺の真相究明と国家責任を追及する行動がさまざまに展開されている。

8月21日、「朝鮮人虐殺の歴史を記憶し、朝鮮人差別を反対する一大行動」実行委員会(以下、「一大行動」実行委)が主催するデモパレードと東京都庁前での行動、関連集会が行われた。

JR新宿駅前に集まった参加者たち

在日本朝鮮留学生同盟(留学同)の在日朝鮮人学生と日本人学生で構成された同実行委は、今年5月の発足以来、学習会やフィールドワークなど、朝鮮人虐殺の本質について朝・日の青年たちが共に考え、行動する連帯の輪を広げることを目的に活動を続けてきた。その集大成となるこの日の行動には、約170人の同胞と日本人青年らが参加した。

パレードに先立ち、「関東大震災朝鮮人虐殺100年―虐殺犠牲者の追悼と責任追及の行動」実行委員会の藤本泰成事務局長(フォーラム平和・人権・環境共同代表)が、激励のあいさつをした。

あいさつする藤本泰成さん

その後、参加者たちは多くの人が行き交う新宿アルタ前広場から新宿中央公園までの約1kmの区間をパレードした。「日本政府は真相調査を!」「東京都は虐殺の事実を認めろ!」などと書かれたプラカードやうちわを掲げ、抗議のシュプレヒコールをあげながら繁華街を練り歩いた。

抗議のシュプレヒコールをあげながら繁華街を練り歩いた。

デモパレードに続いて、都庁前での抗議行動が行われた。留学同や朝青など各団体から発言があったほか、朝鮮大学校の学生、日本人学生など参加者らは次々にマイクを握り、100年前の朝鮮人虐殺を自分事として捉えながら、それぞれの思いを語った。

抗議のシュプレヒコールをあげながら繁華街を練り歩いた。

大学で教員を務めている窪田亜矢さん(55)は「学生たちが声を上げているときに、私たちの年代は何をしているのだろうと考えさせられた」と述べたうえで「問題はこの深刻さについて考えていない大人たち。若い人の力に頼っていてはいけない」と、大人たちが日本の加害史に向き合う必要性を強調した。

都庁前で抗議の声をあげる朝・日大学生ら

窪田さんと共に参加していた20代の日本人大学院生は、7月末にあった高麗博物館の関東大震災関連イベントに参加した際、折込みチラシをみて、この日の行動に駆けつけたという。南朝鮮への留学や、大学の授業で朝鮮半島の歴史を学び、日本の学生たちと朝鮮の学生とでは「歴史を学ぶ度合が違う」と感じ、「同じぐらいの深さで歴史を学びたい」と考えたそうだ。学生はこの日、日本の加害の歴史について堂々と発言する多くの青年らの姿を目にし、「日本側の教育が足りていないことを改めて強く感じている」と感想を語った。

歴史的文脈の中に生きる

同日夕方には、文京区民センターで集会が行われた。

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