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「朝鮮語辞典」発行の知らせを受けて/辞典に携わった朝鮮の人々

2023年08月04日 08:00 暮らし・活動

目に浮かぶ同胞たちの姿“美しいウリマルを”

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先月1日に一般公開されたデジタル版「朝鮮語辞典」。2010年から編纂が始まり、10余年の時を経て完成した「朝鮮語辞典」発行の背景には、発行元である学友書房にとどまらず、朝鮮大学校の教員たち、祖国朝鮮の学者たちなど、多方面の人々の協力があった。

「新しい辞典を使い、同胞社会のどこでも美しく素晴らしい朝鮮語を響き渡らせる学生や同胞たちの姿が目の前に浮かぶようだ」(朝鮮民主主義人民共和国 社会科学院言語学研究所研究員・チョン・スンギさん、84、院士)

辞典の編纂に協力した朝鮮の関係者らは、「在日同胞たちによる在日同胞たちのための辞典」が生まれたことに誇らしさを滲ませる。そして異口同音に祝福を贈りながら、辞典を使うことの重要性について、朝鮮における朝鮮語大辞典(조선말대사전)の流通例をあげながら語った。

社会科学院言語学研究所のチェ・ビョンス室長(61、博士、副教授)によると、朝鮮では、時代や人々のニーズに合わせ、各種辞典が、定期的および発展的に編纂発行されており、なかでも朝鮮語大辞典に対する社会的関心と期待は非常に高い。一言で、政治、経済、文化をはじめとする社会生活のあらゆる分野において、特定の機関や対象を問わず広く需要のある「全人民的な本」として利用されている。国の行政機関従事者はもちろんのこと、書くことを専門とする文学芸術、出版報道部門の創作家、芸術家、作家、記者そして教育者や学生たちに至るまで、朝鮮では日常生活において朝鮮語大辞典を使用することは必須手段と考えられているのだ。そうしたニーズに対応するように、2017年には朝鮮語大辞典(全4巻)増補版が出版されている。

朝鮮語の文法的な意味などを理解するのに役立つ文法便覧

チェ室長はまた、近年、タブレットやスマートフォンなどをはじめとする情報手段の発展に伴い、モバイルネットワークを利用した辞典閲覧者が急速に増えていると語る。例えば、「市民らはスマートフォンに搭載した電子辞典を使い、各々の事業や生活の場で分からない語彙の意味を調べるなどして理解を深めている。朝鮮のことばや文を学び始めたばかりの幼い子を持つ保護者たちの中でも、多くの対象が朝鮮語大辞典を購入し利用している」。

国や民族の文化が世代を越え継承されていく際に、「ことば」は重要な要素の一つだ。

だからこそ、朝鮮の関係者たちは、異国の地で朝鮮民族のアイデンティティーを継承することばを守り、より生きたことばとするために、「朝鮮語辞典」の編纂に誠意と努力を惜しまなかった在日同胞たちへの祝福と敬意を絶やさなかった。

今回の「朝鮮語辞典」編纂事業は、編纂委員らが日本と朝鮮を行き来しながら、祖国の人々の全面的な協力のもとで進められた。とりわけ、金日成総合大学と社会科学院言語学研究所から権威のある名だたる専門家たちが同事業に参加した。チェ室長によると、言語学研究所からは、院士の称号を持つチョン·スンギ研究員を筆頭に、17人で編纂組が組まれたという。

「朝鮮語辞典」には色の名前一覧など実用的な付録が多数収録された。

この度発行されたデジタル版「朝鮮語辞典」は、そうした朝鮮の専門家らによる協力の下で、メインターゲットとなる学生たちの年齢や心理的特性に合わせて、また同胞たちが理解しやすい実例や解説を加えるなど在日朝鮮人の生活条件に合わせた実用性の高いつくりとなっている。

言語学研究所の編纂メンバーたちは、「朝鮮語辞典」が「民族のアイデンティティーを守り抜くうえで基礎となる教材として同胞たちに広く活用されることを願っている」と口をそろえた。

【平壌支局】

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