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「人道的」帝国主義の仮面/HOWSで朝大教員が講演

2023年07月24日 17:00 社会

22日、本郷文化フォーラムワーカーズスクール(HOWS)が主催する2023年度前期講座シリーズ「第三世界(非同盟運動)の過去、現在、そして未来へ」の第2回講座が本郷文化フォーラムホール(東京・文京区)で行われた。朝大外国語学部の林裕哲准教授が「ソ連倒壊をへて『人道的』帝国主義による試練の1990年代~2010年代〜帝国主義の現在と第三世界」というテーマで講演した。

「民主主義」「人権」を口実に

林裕哲准教授は本題に入る前に、過去30年間に米国をはじめとした帝国主義諸国による第三世界への介入・戦争が繰り返し行われる中で、国連憲章や国際法が蹂躙、無力化されてきたとしながら、反戦を訴えていくには「人道主義」の仮面を被った帝国主義の戦争に抗う論理を備えることが重要だと問題提起した。

林准教授はまず、講座のテーマを理解するうえで欠かせない帝国主義について説明。こんにち見られる「現代帝国主義」とは、第次世界大戦後に成立した帝国主義の動向、とりわけ基軸国たる米国が追求する自由な市場秩序を形成・拡大しようとする動向であるとし、現代帝国主義が持つ4つの特徴(①巨大な生産力の維持・拡大、②自由な市場秩序志向、③米国の覇権的地位、④帝国主義間の同盟志向)について説明。また、冷戦後の米国が帝国主義的秩序を再編するために展開してきた世界戦略を歴代政権別に分析したうえで、米国は秩序再編の過程にグローバル自由市場の拡大・維持、米国覇権の確立と、そのもとでの同盟強化、軍事プレゼンスの維持、秩序に従わない「ならず者国家」に対する戦争を行ってきたと語った。

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