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差別なくす「仕組み」の整備を/差別投稿めぐる裁判で

2023年06月27日 14:58 権利

ツイッターで差別的な書き込みの被害にあったフォトジャーナリストの安田菜津紀さんが、投稿者を相手に起こした損害賠償請求訴訟の判決(東京地裁)が19日に言い渡された。差別書き込みから2年半、提訴から1年半が経過したこの日、判決後に行われた会見場で安田さんは「ほっとしている」と心境を明かしながら、社会全体として差別禁止の取り組みが必要であると語った。

「差別的」と認定

ツイッターに差別書き込みがあったのは2020年12月。自身が副代表理事を務めるNPOメディアDialogue for Peopleのサイトに公開した記事に関するものだった。記事は安田さんが在日朝鮮人2世である父のルーツを辿ったもので、中学2年のころに父を亡くしたこと、高校生になり初めて父の出自を知ったことなどが綴られた。

この記事を紹介した安田さんのツイートには、以下のようなコメントが投稿された。

「在日特権とかチョン共が日本に何をしてきたとか学んだことあるか?嫌韓流、今こそ韓国に謝ろう、反日韓国人撃退マニュアルとか読んでみろ チョン共が何をして、なぜ日本人から嫌われてるかがよく分かるわい お前の父親が出自を隠した理由は推測できるわ」

安田さんは当該書き込みが、国連人種差別撤廃条約の趣旨に反し、且つヘイトスピーチ解消法に該当する差別行為であると主張し、21年12月に東京地裁へ訴状(その他1件を含む2件の差別行為について)を提出。判決では投稿者の一連の行為が「原告の出自に関する名誉感情を侵害するもの」であるとして、被告に33万円の賠償が命じられた。

「個人の努力」では限界ある

父のルーツについて綴った安田さんの記事は、公開当時、大きな反響を呼んだ。自身のルーツを周囲に明かせないという次世代からの相談もあったという。

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