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〈尼崎初中チャリティ公演〉ハルモニたちの熱い思い

2023年01月21日 12:02 民族教育

私たちのハッキョだから

中級部舞踊部による群舞のステージ

「こんなに素敵な児童、生徒たち、そして卒業生やアーティストの方々が集まってくれて胸がいっぱいだ」

本番前、出演者たちを前にそう本音を伝えた実行委員長の白順徳さん。学校チャリティとして開催された公演「꿈길(夢の道)」は、白さんをはじめ、尼崎西・尼崎東・西宮の阪神地区に住む同胞女性たちが「ハッキョのために」という一心で、約半年をかけて準備してきた。

女性2重唱(金里美、金美佐)

発端は、「何気ない会話からだった」。白さんは企画した当時のエピソードを、出演者たちに向けてこう語る。

「武庫川の片隅に同胞ハルモニたちが集う『同胞いこいの家』という拠点があり、毎週火曜日に地域の人々が集まっては、朝鮮の歌を歌ったり、体操をしたりして、共に時間を過ごすんです。そこに集まったハルモニたちで、生活の何気ない話をしていたとき、先代たちが建ててくれたウリハッキョに、自分たちも何か貢献したいね、となった」。

2重奏「強盛復興アリラン」(崔栄徳、金善華)

学校創立から75周年が過ぎ、それから約1年後の昨夏に持ち上がったこの話は、77周年を迎える今年に限らず、「尼崎ハッキョがこれからもずっと輝いてほしい」という共通の思いによって現実となる。

「同胞いこいの家」を運営する「南武庫之荘同胞権利を守る会」と「尼崎初中オモニOG会」、女性同盟支部顧問ら15人で結成された実行委員会では、その後、宣伝、財政、事務などそれぞれに担当チームをつくり、地域の同胞のみならず、日頃付き合いのある日本の友人などへ、公演に対する思いを伝え、協力を募っていった。

初級部吹奏楽部による吹奏楽合奏

当初は、公民館の一部部屋を借りて開催を想定していた会場も、「芸術性で伝えるなら歌劇団を呼ぼう」「子どもたちのためなら、在校生たちや先生たちにも出演してもらおう」「広く支援を募るなら、卒業生たちにも声掛けをしよう」と、協議の過程で、話は瞬く間に大きくなり、「子どもたち、同胞たちの喜ぶ顔を考えたら手抜きはできない」と、600人規模のホールを利用し、開催すること決断したという。

朝・日の若手アーティストらによる重唱「僕のこと」

そんななかで開催された公演は、終了後、「チケット代以上の公演を久しぶりにみせてもらった」と満足げに帰っていく観客や、「こんな客席がいっぱいになり盛り上がったイベントは何年振りだろう」と協力したスタッフたちが話していたほど。会場は、「ウリハッキョ」に対する実行委の思いを受け取ったたくさんの人々の熱気に満ちていた。

(文・韓賢珠、写真・盧琴順)

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