〈現場への「入口」・3〉同胞の愛をじかに受け/朝青愛知県本部


在日朝鮮人運動の現場に直接おもむき同胞たちと関わる中で、次世代としての使命感を培う社会実習。その名の通り「イルクン(働く人)」を経験することで、同胞社会の実情を把握し、自らの役割について思索を深める期間といえる。

朝青愛知県本部には今年、政治経済学部から2人の学生が実習生として配属された。金敬玉さん(4年)、李京香さん(4年)。ともに愛知県内で生まれ育ち、愛知中高を卒業した。

2週間の実習期間、かのじょらは朝青本部、支部の会議や同胞たちとの座談会、県内にある朝鮮学校生徒への講義など多岐にわたる活動を経験した。実習6日目となる10月22日には、県内唯一の同胞デイサービスセンター「いこいのマダン」へ足を運んだ。

実習生への指導を担当する李舜組織部長によると、以前は実習生が毎年のように訪れ同胞高齢者との交流を深めていたが、近年はコロナ禍で訪問が途絶えていた。約3年ぶりとなる実習生たちの「マダン」訪問に、来館した5人のハルモニ(おばあちゃん)たちは顔をほころばせた。

「これまでの人生で忘れられない思い出を、川柳にしてみましょう」。

金敬玉さんが呼びかけた。ためらいを見せたのも束の間、ハルモニたちはいつの間にか昔話に花を咲かせ、口々に思い出を語りあった。「ハルモニの いこいのマダン いいとこだ」「孫の顔 ひ孫の顔みて おおわらい」…。

「チョデセン(朝大生)が来てくれてうれしい。これから愛知同胞社会の未来のために尽力してくれることを願っている」。柳一子さん(84)は実習生たちの手を固く握りながら語りかけた。

別れ際、涙を流しながら「また来てね」と手を振る金初子さん(91)も「こんなに笑ったのは久しぶり。若い世代のトンムたちが本当に頼もしい」と話した。

「マダン」管理人の朴鐘寿さん(35)は「色んな背景を持つ同胞たちと出会い、寄り添う大切さを、実体験をもって学んでほしい」と願う。「ここにくる方々は、同胞社会を作り、盛り上げてきた先代たち。その努力と情熱が自分の生活とどう繋がっているのかを感じてくれれば」。

「マダン」を後にした実習生たちはそのまま電車に乗り、朝青員たちの食事会が開かれる総聯岡崎支部会館へ向かった。濃密で多忙なスケジュールをこなす中で受け取る同胞の愛と期待。「現場にでるほど、私たちの資質が求められていることを実感する。身が引き締まる思いだ」。2人は口をそろえた。

現場で必要な力とは/座談会、会議通じ

「君たちに力をもらった。失敗を恐れず挑戦して、民族教育の力を発揮してくれることを願う」。総聯名駅名西支部の李勝旗副委員長(80)が笑いかけた。

10月24日、支部会館では地域同胞との座談会が行われた。李さんと向かい合って座った金敬玉さんと李京香さんは、メモを取る手に力がこもる。

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