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〈ものがたりの中の女性たち61〉「これも運命、私が嫁ぎます」―三女

2022年10月24日 09:00 寄稿

あらすじ

尼姿で旅に出る三女

ある老夫婦が子を授かることを天に望み、蛇の姿をした息子が生まれる。驚いた老夫婦はその蛇を籠に入れ、蓋を閉め、台所の床や庭に置いた。隣家の三姉妹が見物に来るが、姉二人は気持ち悪いと言って唾を吐く。三女だけが好意を示し、その蛇に名をつけ笑いかける。蛇息子は大きくなり、母に隣家の娘と結婚したいと言い出す。長女と次女は気味悪がり拒絶するが、三女が縁談を受け入れる。皆が寝静まった婚礼の夜、新婦に湯を沸かすことを頼んだ蛇の新郎は、その湯で湯あみをすると美しい青年に変身する。その日から新郎は、昼は蛇の姿、夜は人間の青年になり、百日後には完全に蛇の抜け殻を脱ぎ捨て立派な人間になる。二人は共に愛し合い、仲睦まじく暮らす。新郎は抜け殻を新婦に渡し、絶対に誰にも見られてはいけないと言うと、科挙を受けに都を目指す。気味が悪い蛇が美しい青年に変身し、三女と仲良く暮らしていることに腹を立て嫉妬した姉2人は、三女がいつも大層大事に身に着けているチュモニを盗み、例の抜け殻を燃やしてしまう。抜け殻が燃える匂いを感じた新郎は、三女が裏切ったと思い姿を消す。悲しみに暮れ、夫を探す旅に出た三女は苦難の末、ついに夫を見つける。だが、彼女に裏切られたと思っている新郎は再婚している。夜、庭に出て詩を詠ずる彼に合わせて、返歌を歌う三女。再会した二人は誤解を解くが、再婚した妻を捨てることもできず、彼は2人の夫人に、かかとの高い靴を履いて三十里離れた泉からの水汲み、山のような量の柴刈り、生きた虎の眉毛を抜くなどの無理難題を課し試練を与える。諦めず、果敢に挑む三女。そのすべてをやり遂げた彼女は、その後彼と共に幸せに暮らす。

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