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「当たり前の権利」大切さ学ぶ/東京人権協会の出張授業

2022年09月29日 15:10 民族教育

スクリーンにいくつかの絵が映し出された。見る角度によって異なる印象を与える「だまし絵」だ。

在日本朝鮮人東京人権協会による千葉初中中級部での出張授業。在日本朝鮮人人権協会部長の宋恵淑さんが教壇に立ち、生徒に質問する。「どんな絵が見えるかな?」。生徒たちは目を凝らしながら、思い思いに回答した。

今回のテーマは「人権を尊重しよう」。出張授業3回目となる同校で初め扱われるテーマだった。

「このように、同じものを見ても人によって捉え方は異なりますよね」。宋さんが生徒たちに語りかけ、この問題意識が授業の重要なポイントになると強調した。

授業では、日常の学校生活で起こりうる場面を描いた一枚のイラストをもとに、その中で人権が尊重されている部分、侵害されている部分、どちらともいえない部分を生徒たち自らが探し出すワークショップが行われた。

ワークショップに先立ち宋さんが解説する。「人権とは、人が生まれながらに持っている、平等で、自由に、幸せになる権利です。すべての人を大切にしようという思いから生まれた概念です」。

生徒たちは各々が人権について考えを深めながら、互いに意見を交わしグループごとに回答をまとめて発表した。

「トイレに向かっているこの子は車イスに乗っているのに、バリアフリートイレでは女子生徒がたむろしているから使えないね。人権が侵害されているんじゃない?」「この2人はスマホで悪口を書き込んでいるかも」「女子生徒が男子生徒の服を縫ってあげているけど、2人とも笑顔だから人権が侵害されているとは言えないんじゃないかな」。

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