補助金停止問題、学園が都へ再度要請


政治的思惑、民族差別が深く内在

2010年から停止されている「私立外国人学校教育運営費補助金」(以下、補助金)の再交付を求め、都内の朝鮮学校関係者らが18日、都庁を訪れ東京都生活文化スポーツ局(以下、生活文化局)に対し要請を行った。

都内の朝鮮学校関係者らが18日、都庁を訪れ東京都生活文化スポーツ局に対し要請を行った。

石原都政によって2010年に補助金が停止されて以降、東京朝鮮学園の関係者らは10年以上にわたって再交付要請を続けてきた。今年3月7日には、東京都知事、生活文化局長、同局私学部長宛ての要望書を提出した。

要望書には、▼2010年度分にさかのぼって東京朝鮮学園へ補助金を支給すること、▼「朝鮮学校調査報告書」を東京都生活文化局のHPから削除すること、▼私学部が問題解決に取り組んだ内容とその状況、今後の取組について答えること—の3点が明示され、次回要請の場で担当者から返答があるよう求めていた。

そうした前提のもと行われた今回の要請では、生活文化局私学部の私学行政課長と課長代理が対応した。はじめに東京朝鮮学園の鄭仁秀理事が部・局内での話し合いに進展があったか聞くと、「いま時点ではすべての方針に変更がない」旨が伝えられた。

要請団メンバーらは、都が「都民の理解が得られない」ことを理由に補助金交付の対象から朝鮮学校を除外している現状に言及。東京第4の李長根教務部長は、同校が足立区の第一次避難所に指定されていること、近隣の幼児施設が同校で避難訓練を行っていること、その他、日常的に学校行事への双方参加、公式戦での交流など豊かな学び合いがあることをのべた。

都の担当者(左)は、「都民の理解が得られない」ことを不交付の理由にしながらも、都民の声はこれまで一度も聞いていない。

東京中高教職員同盟の鄭燦吉分会長は「『都民の理解』と言うが、実際に都民の声を聞いているのか」と質問。行政課長は、「この件に関してアンケート等は取っておらず、知事が『都民の理解が得られない』と判断したということに尽きる」と、偏向的な政策の一端を露呈させた。

東京朝鮮学園の金順彦理事長は、HPへの朝鮮学校調査報告書掲載をはじめとする都の対応が新たなヘイトを生んでいる点について指摘。また、「補助金の要綱に、都内の朝鮮学校に関しては『別途知事が定めるまでの間、指定対象から除く』と書いてあるが、ここに政治的な思惑や民族差別が深く内在しているように感じる」と述べた。

この日、要請に同席した大松あきら都議会議員(公明党)は、過去にたくさんの朝鮮学校を訪問した経験を紹介しながら、「他の学校同様、朝鮮学校にも当然、補助金を支給しなければならない」と強調した上で、私学部長や生活文化局長との話し合いも設けるよう要望した。東京朝鮮学園の鄭仁秀理事は、「ぜひ学校にも足を運び、近隣の日本の方々とも懇談してもらいたい」と伝えた。

(黄理愛)