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〈D.P.R.K〜暮らしの今 8〉徳と情あふれる朝鮮の正月

2019年02月16日 10:28 共和国

新年の“カレンダー社交”

【平壌発=金宥羅】過ぎ去った1年を振り返り、新たな年への期待に胸膨らます正月。古くから「東方礼儀の国」と呼ばれる朝鮮では、新年を迎え、家族や師弟、近隣住民の間でさまざまな方法であいさつが交わされる。朝鮮ならではの心温まる正月の風景を取材した。

プレゼントはカレンダー

今年の人気商品は陶磁器を扱ったカレンダー

色鮮やかなチョゴリに朝鮮料理、平壌の街並みや人気アニメ「소년장수(ソニョンチャンス)」――朝鮮では今年もさまざまなモチーフを扱った数十種類のカレンダーが発売され、好評を博した。

平壌出版社のキム・ファミョン写真編集部長(53)によると、カレンダーは朝鮮の正月の風景になくてはならない「必須アイテム」だという。

「朝鮮の人々の間では、両親や恩師、お世話になった人々に新年のあいさつに伺う際に、カレンダーをプレゼントとして持ち寄る文化がある。なかにはプレゼント用に20部、30部買い求める人もいるほどだ」

平壌出版社では2019年に合わせ、5種類のカレンダーを発売した。今年、とくに人気を集めたのは、世界各国から朝鮮のリーダーに送られたプレゼントをまとめたカレンダーや朝鮮の陶磁器を扱ったカレンダーだった。

カレンダーの内容によって需要も異なる。「平壌の人々は朝鮮各道の名勝地や自然風景を集めたカレンダーを好み、農村に住む人々は黎明通りなど首都の風景を収めたものを好む傾向がある。毎年、国内では数十種が発売されるので、人々は相手の好みを考えながら、カレンダー選びを楽しんでいるようだ」

カレンダーを手土産に近隣の老夫婦を訪ねる若者たち

カレンダーの利用方法も人それぞれだ。毎年、朝鮮料理のカレンダーを飾っているという大城区域龍北洞に住むリ・ヨンヒさん(37、主婦)は料理の写真とともに掲載されているレシピを活用している。

「新年を迎え、カレンダーの1月の欄に紹介されていた料理を作り、家族にふるまったところ大好評だった。1年間で12種類もの新しい料理のレパートリーが増えるので家族も喜んでいる」(リさん)

人々は、新年を迎えるとまず、カレンダーを事務所や部屋に飾り、予定を書き込み、新しい年をどのように過ごそうか構想を膨らませる。また、黎明通りや新たにオープンした平壌大同江水産物食堂をモチーフにしたカレンダーなど、建設ラッシュに沸く平壌の姿を収めたカレンダーも毎年発売され、市民らは発展する祖国の姿を、カレンダーを通して実感するという。

伝統的な新年の「カレンダー社交」とともに、若者の間で近年、正月の文化として定着しているのがスマートフォンを使った「축하통보문(年賀メール)」のやり取りだ。

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