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【インタビュー】危険な軍事結託、民衆の力で打ち破る/渡辺健樹・日韓ネット共同代表

2016年12月16日 12:14 朝鮮半島

THAAD配備、日韓GSOMIAにブレーキ

2016年、朝鮮半島を中心とした東アジアの軍事情勢は、急速に進む米日韓三角軍事同盟の強化にともない、いっそう危機的な状況に陥っている。これを示す主な出来事、今後の見通しなどについて、日韓民衆連帯全国ネットワーク(日韓ネット)の共同代表を務める渡辺健樹さん(64)に話を聞いた。

―今年7月8日、米韓両政府は「朝鮮の脅威」に対処するためだとしてTHAAD(高高度ミサイル防衛システム)を韓国に配備することを正式決定したと発表した。この問題点について聞きたい。

渡辺健樹さん

渡辺健樹さん

今年に入って米日韓三角軍事同盟の強化がなし崩しに進められてきた。

THAADは米国が主導する東アジアMD(ミサイル防衛)網づくりを促すものだ。「ミサイル防衛」とはいかにも防御的に聞こえるが、あくまで先制攻撃戦略が前提となっている。要するに、相手側を先制攻撃した後、それに対する報復攻撃を迎え撃つという危険なシステムなのだ。

THAADは迎撃弾道ミサイルとXバンドレーダーが一体型になっている。Xバンドレーダーは1,000km以上の目標探知能力を持つ早期警戒用レーダーで、これが韓国に配備されれば中国、ロシアもその範囲に入ることになる。

そのため現在、朝鮮のみならず、中国、ロシアもTHAADの韓国配備に強く反対している。5度目の核実験を行った朝鮮に対する制裁決議が国連安全保障理事会で採択(11月30日)された際、中国、ロシアは米韓のTHAAD配備計画についても自国の安保上の利益を損なうものとして断固反対した。とりわけ中国は、THAAD配備を急ぐ韓国に対して経済的な報復措置を実際にとっている。

THAADの韓国配備は東アジアの軍備拡張競争を激化させかねないきわめて危険な動きであると言わざるをえない。

―11月23日には、朴槿恵政権下で起こった前代未聞の国政介入事件に対する韓国民衆の怒りが噴出している最中であるにもかかわらず、日韓GSOMIA(日韓軍事情報包括保護協定)が締結、同日発効した。

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