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金剛山歌劇団朝青LIVE vol.1/“ステージこそが私たちの「陽だまり」”

2015年01月30日 15:04 文化・歴史

金剛山歌劇団の朝青世代団員たちによるLIVE「陽だまりの下で~A Place in the Sun~」が1月23日、ライブハウスKIWA(東京・二子玉川)で行われ、約60人が観覧した。

器楽演奏「プルム打令」

器楽演奏「プルム打令」

 独自のアレンジ

ソヘグムの独奏をバックに、春風にふかれた恋心を情感たっぷりに踊った「花の歌」で幕を上げた朝青ライブ。「海が見える教室」や「プルム打令」に「フェヤンニルリリ」…誰でも1度は耳にしたことがある名曲に朝青世代の団員たち独自のアレンジが加えられた演目が並び、「チャンゴの舞」や「サンモノリ」など民族性溢れる舞踊が観る者の心を躍らす。また、司会では、日ごろ触れることのない民族楽器の説明、曲にまつわるエピソードが語られた。宋錦衣団員(28)が作曲し、李華仙団員(27)が作詞したアンサンブル曲「夢をつないで」も披露され、会場は温かい拍手に包まれた。

独舞「チャンゴの舞」

独舞「チャンゴの舞」

李華仙団員は「私たちにとって舞台は、何もかも忘れて、踊り、歌い、演奏する喜びを全身で表現する空間。しかし、舞台の下では、さまざまな葛藤があり、答えが見つからず前に進めないときもある。でも、ふとした誰かの一言だったり、優しさに触れたとき、もう一度頑張ってみようと思い、今日も舞台に立っている。皆さんが前に一歩進むうえで後押しになれる曲にしようと思った」と思いを語る。

公演を観覧した申純愛さん(23)は「普段あまり触れることの出来ない民族芸術だからこそ、触れる度にその素晴らしさを痛感する。歌劇団はそれを日本で伝え続けるトップランナーだ」と話し、「同世代の団員たちの活躍に期待したい」と感想を語った。

 新たな活躍の場へ

男性舞踊「サンモノリ」

男性舞踊「サンモノリ」

今回のテーマとなった「陽だまり」。金剛山歌劇団で芸術活動をする団員たちにとっては、同胞たちの前で立つステージそのものが、かけがえのない「陽だまり」だという。観る人にも自分自身の「陽だまり」を確認し、大事にしてほしいという思いが公演には込められた。

また、若手の団員たちにとって、宣伝活動から演目のアレンジまですべてを自分たちでこなす公演は、初の試み。本番まで不安は山積みだったという。「やりたいことを思いっきりやってみろ」と全力で応援し支えてくれる先輩たちの「期待」も大きなプレッシャーとなった。

今回最年少の黄娜璃団員(24)は「先輩たちの中で歌うことで、緊張もしたが、それ以上に団員たちの仲が深まり、芸術に向き合ういい機会になった」と話す。「これからも、観る人の心を震わせる芸術を追い求めたい」

「古きよきものを守りつつ、それを発展させたい」と語るのは宋錦衣団員。「今回は中堅団員を中心にライブを行った。これを土台に後輩たちが、技術を高め、活躍する場を増やしていきたい」と抱負を語る。

公演責任者の朴康夫団員(28)は今回の公演が若手の新たな可能性を発見する場だったと振り返る。「歌劇団の中で、これから若い世代がどんどん中心的な役割を担うようになる。その中で、今回団員たちの意見を反映し、創作した経験は大きな力となった。いろんな意見を拾い、団員一人一人の魅力を探していくことで、世代に合った団体にしていけるはず」と語り「公演を通じて人々に希望を与えるという一心でこれからも頑張りたい」と力強く語った。

(文・金宥羅、写真・李哲史)

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