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〈取材ノート〉潮目は変わった

2012年09月24日 15:11 コラム

13日、永田町の星陵会館で平壌宣言発表10周年に際して「全国集会」が開催された。アントニオ猪木さん、デヴィ・スカルノさんをはじめとした著名人や元議員、日朝問題に取り組む団体代表らの呼びかけによるもので、国交正常化に向けた流れ、世論を作り出すためだ。

取材ノート平壌宣言は、史上初めて朝鮮と日本の両首脳が調印した歴史的な外交文書であったにもかかわらず、その後の両国関係は言わずもがな、である。

この10年、日本では「拉致問題の解決なくして国交正常化はない」(安倍元首相)の言葉に代表されるように、対朝鮮強硬路線こそが「正しい」とされてきた。しかし、いったい何が前進し、何が解決されたのか。

8月末、戦後67年が過ぎて初めて「全国清津会」メンバーが、日本外務省の正式な許可のもと、朝鮮の地を踏んだ。第2次大戦の終戦前後に朝鮮で死亡した日本人の遺骨収集や墓参をめざす「清津会」。集会で正木貞夫会長は、この長きにわたる日々を「言葉に言い尽くせられない」と感慨深く語った。

集会を前に、参院会館では「清津会」訪朝報告会が行われた。会では右派某紙の悪意に満ちた「朝鮮問題」ねつ造記事が槍玉に挙げられた。これに先立つ7月末にも、「清津会」による墓参と遺骨収集実現のための説明会が同会館で持たれたが、この二つの会には、「拉致被害者家族会」前代表の横田滋さんが参加し、発言。遺骨問題を積極的に解決しようとしない、日本政府への不信を露わにした。

宣言から10年、潮目は変わった。(茂)

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