〈取材ノート〉市民交流を新たな発展の鍵に
2012年06月08日 12:06 コラム先日、地域の朝・日交流イベントの現場を訪れた。主催したのは京都・西南青商会。日本のダンスグループと朝・日舞踊サークルによるパフォーマンス、地元で人気の飲食店による屋台など、斬新な企画が参加者の目を引いた。
同地域で「地域発信型」の大規模な朝・日交流イベントが催されるのは今回が初めて。その陰には、時代の変化に伴い直面した様々な問題をどうにか打開していこうとする会員らの奮闘がある。
「今の青商会会員は、その多くが商工人ではなくサラリーマン。これまでは勢いに任せて常に登り調子で来れたけど従来どおりの活動を展開するのにも限界がきている」とある関係者は語る。「こうした現状への懸念は、他の多くの地域青商会も抱えているはず。これまで以上の質を保ちつつ、どのように活動を展開するか。今がターニングポイントだ」
西南青商会では、市民交流をその突破口としてとらえている。諸般の活動を通じ日本市民らに朝鮮学校の存在を広くアピールするのみならず、これまで同胞社会との関わりが薄かった新たな会員を獲得し、同胞社会と朝鮮学校を支える裾野を広げようと考えている。その前提となるのは地域の各団体との繋がりだ。
実際、緻密な企画、動員が奏功し普段、同胞行事にほとんど参加しない人までイベントに呼ぶことができた。さらに地元議員らとコンタクトをとり、より組織的で継続的な理解と支援を呼びかけている。
「同じような問題に悩む各地青商会の一つのモデルケースになれるよう頑張りたい」。西南青商会の新たな挑戦に注目したい。(周)