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〈人物で見る朝鮮科学史 9〉広開土王とその時代(中)

2006年04月14日 00:00 歴史
キトラ天文図(奈良文化財研究所提供)

キトラ天文図(奈良文化財研究所提供)

「天文」とは天空で起こる現象を意味する言葉で、それと類似の地表水の存在と運動変化を意味する「水文」や「人文」という言葉もある。天文学とは文字通り天文知識が体系化されたものであるが、留意しなければならないのは現代人が考えるところの天文学は近代以降のニュートン力学に基づく科学分野で、古代天文学はそれとは性格が異なるということである。

東アジアの天文学は昔から「帝王の学」といわれるが、それは天文が国家と王の安危と関連すると考えられたからである。ある種の占星術であるが、西洋の占星術が個々人の運命を占うこととはきわめて対照的である。また、星座の名前も西洋は動物が中心であるが、中国や朝鮮では社会制度と生活を色濃く反映し、たとえば兵士たちの市場である「軍市」があり、「厠」もある。

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