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〈取材ノート〉「自由」の尊重

2019年09月20日 10:20 コラム

日曜の昼下がり、この日も排外主義者たちは、警察に守られながらヘイトスピーチの「自由」を得ていた。15日、錦糸町駅周辺では、「日韓断交」を求め排外主義団体らが主催したヘイトデモが行われた。いかにもと言わんばかりの朝鮮人蔑視を表すプラカードや「旭日旗」を掲げ、白昼堂々と街を練り歩くヘイトスピーカーたち。

これと関連し、墨田区では、区内の公園がヘイトデモの集合・解散場所に指定されることを規制するよう求める声に対し、「自由利用であり、当日ヘイトが行われる客観的事実は今のところない」と回答。当日判断できる言動があった場合にのみ対応するとした。

解消法が施行されてもなお、各地で行われるこのようなヘイトの場には、差別と排外のシンボルとしての「旭日旗」が日常的に掲げられている。

南朝鮮政府は11日、来年の東京オリンピック会場で、「旭日旗」の使用を禁止するよう、国際オリンピック委員会に要請。これに対し、東京オリンピック組織委は、「旭日旗」が政治的主張に当たるという南政府の訴えを退け、会場での使用を禁止しないと表明し、波紋をよんでいる。

一方、使用については、6月に朝鮮中央通信社も、外務省の公式HPに、同旗が「日本政府の伝統的象徴」であるという説明文が掲載されたことをうけ、「軍国主義の野望をいっそう露骨にさらけ出している」と非難したうえで、「右翼の集会の場や国際競技場においても戦犯旗が振られている現状」についても非難する論評を発表した。

実際にヘイトの場で使用される旗を、戦時中に旧日本軍が使用した旗を、どうして恐怖感を抱かず見ていられるだろうか。差別行為を公然と行える仕組みが、「自由」の尊重によって形作られていく。

(賢)

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