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〈取材ノート〉監督の本音

映画「主戦場」が話題だ。

日本軍性奴隷制問題について、吉見義明さんや櫻井よしこさんなど、真っ向から意見を対立させる人たちへのインタビューをまとめた作品。公開初期は4館での上映に過ぎなかったが、SNSなどで毀誉褒貶さまざまな反響が広がり、今では北海道から沖縄まで30館以上での上映が予定されている。

渦中の監督、ミキ・デザキさんに在日朝鮮人に関する意見を伺うと「初めは日本における人種差別について映画を作ろうと思っていた」と打ち明けてくれた。

監督は以前、動画共有サイトに在日朝鮮人などに対する差別を取り上げた映像を投稿し、物議を醸したことがある。インタビューでも「在日朝鮮人は不当な扱いを受けている」と話し、この問題に大きな関心があることがうかがえた。

しかし、問題意識を映画化することは「残念ながらできなかった」。

「『主戦場』のポイントは右派も左派も含め多くの日本人に観賞してもらえるところにある。しかし、もし『人種差別』をテーマに映画を作っても、差別主義者たちはおそらく映画を見てくれないだろう」。映画を見るべきなのは誰なのか。その対象は明確だった。

一方で今後、日本での差別に関する短い動画を作る可能性も示唆した。「テーマによっては短い映像の方が影響力がある」。次の作品はどんなものになるのか。監督の活動に注目したい。

(孝)