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〈本の紹介〉中塚明著「日本人の明治観をただす」を読む/朴日粉

ウソと改ざん許さぬ渾身の書

高文研、2200円+税、03-3295-3415

このところの天皇代替わりキャンペーンと相まって、「明治礼讃」がかまびすしい日本。その正体は何か。しかし、今や安倍政権の侍女と化したかのようなメディアにその答えを期待することは難しい。そんな時、まさしくタイムリーな本が上梓された。そのタイトルは「日本人の明治観をただす」。著者の中塚明さんは、近代史研究に半生を捧げ、長く深い闇に閉ざされてきた世界に透徹した学問研究の光を当て、緻密で粘り強い手法によって、近代日本の立ち遅れた朝鮮観を根底から覆す視点を切り開いてきた歴史家だ。今年9月には90歳を迎えられる。

一次史料に基づいて

これまで知られることのなかった一次史料を発掘し、定説とされたウソにメスを入れ、歴史の事実を解明するのは容易なことではない。本書では、明治以降の日本で、日本の朝鮮侵略の歴史について、日本の政府や軍部という公権力が実際にしたことをいかに隠蔽して、歴史を改ざんしてきたかを見事に明らかにしている。

東アジアで唯一の近代的軍事力を持つ国として、対外侵略戦争を引き起こし、「植民地帝国の骨格を作ったのが明治」であった。天皇制政府は成立以降、北海道を国内植民地のようにして土着のアイヌ人の民族的権利をとりあげ、また、琉球王国を滅ぼして、日本に統合、台湾にも出兵したが、天皇制の対外膨張の最大の標的は隣国、朝鮮だった。

吉田松陰の教えを受けた長州藩の武士で、明治新政府の首脳の一人となった木戸孝允(きどたかよし)は、さっそく、1868(明治元)年12月14日(旧暦)政府最高幹部の岩倉具視(いわくらともみ)に「すみやかに国の方針をしっかりさだめ、使節を朝鮮につかわし、彼の『無礼』を問い、かれもし不服のときは罪をいいたてその国土を攻撃し、大いに『神州日本』の威勢を伸ばすことを願う」(「木戸孝允日記」)と書き送っている。つまり、明治新政府に対する朝鮮の反応が「無礼」であるかどうか何もわからないときにすでに新政府の最高幹部が朝鮮攻撃を基本方針としていたことをこの日記は示している。

本書では日本の朝鮮侵略の第一歩となった1875年の「江華島事件」の報告書について、「対外戦争での日本軍隊の行動を記述するのに用いられた『改竄』の手法第一号」として鮮やかに解明されている。日本側がこの事件を用意周到に準備し、本格的な戦争行為を行ったにも関わらず、飲み水を求めようとして「朝鮮側から不意に無謀な攻撃を受けた」と全くウソの話に書き換えたことを、史料を駆使しながら立証している。中塚さんはこの点について「日本の近代史のはじめから…日本の不当な侵略の行為を隠蔽することと、他方、『国際法もわきまえない遅れた朝鮮』ということをことさらに強調し、『朝鮮の後進性を言い立てることで日本の侵略の事実をおおいかくす』という内外の世論をあざむく操作が、この江華島事件からはじまっていた」と断じている。

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